クリス・ワシントンは、恋人ローズ・アーミテージの実家に挨拶へ行くことになった。クリスが「なぜ君は僕が黒人であることを両親に伝えないのか」と尋ねると、ローズは一瞬動揺した素振りを見せたものの「父さんと母さんは人種を気にするような人たちじゃないわ。貴方のことを歓迎してくれるはずよ」と答えた。ニューヨークの高級住宅街にあるローズの実家へ向かう途中、2人の乗る車は鹿に衝突した。クリスは撥ねてしまった鹿を見て何かを思い出していた。事故現場にやって来た警官がクリスに運転もしていないのに身分証を見せろと横柄な態度を取ったため、ローズは警官を一喝した。その一方で事態をこじらせたくないクリスは不快に思いつつも警官の質問に答えていった。アーミテージ家に到着した2人は、ローズの両親であるディーンとミッシーから温かい歓迎を受ける。ディーンの案内で家を回ったクリスは、甲斐甲斐しく働くジョージナとウォルターに挨拶する。クリスはミッシーから「禁煙のために催眠療法を受けなさい」と言われたが丁重に断った。家を一通り見て回った後、ローズはディーンとミッシーから「明日は祖父の代から続けている親睦会、パーティーがあるんだ」と告げられ露骨に嫌な顔をしたが、クリスは特に気にも留めなかった。クリスはケンカとスポーツに明け暮れているローズの弟、ジェレミーにも会った。その日の夜、クリスが一服するために家の外に出るとウォルターが家の周りを全力疾走していた。ジョージナに至っては窓を凝視していた(夜の窓ガラスに映った自分の姿に見惚れていた)。クリスは2人の奇行に恐怖を感じながら家に入ると、居間のミッシーに呼ばれて、そこで彼は強制的に催眠療法を受けさせられた。クリスは催眠によって母親が亡くなった夜を思い出す羽目になった。クリスの母親は撥ねた鹿と同じようにひき逃げに遭っており、子供だったクリスはその知らせを聞いてもショックのあまり動けず、何もできなかったのだという。催眠療法の最中、ミッシーはなぜか紅茶の入ったティーカップをスプーンで頻繁にかき混ぜ音を鳴らしていた。
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