ソ連の強豪ボクサー・ドラゴを破ってアメリカに帰国したロッキー・バルボアは、その後会計士の不正により破産。その上、度重なる激闘により脳に回復不能となるほどのダメージが蓄積しており妻・エイドリアンの説得もあって遂に引退を決意する。フィラデルフィアに帰郷したロッキーは、今は亡きかつてのトレーナー・ミッキーのジムで白人新鋭ボクサーのトミー・ガンを育てマネージャー兼トレーナーとして第二の人生を歩み始めていた。一方、思春期にさしかかった息子のロッキーJr.は、トミーの育成に夢中になっていく父に対し、自分から離れていく違和感を抱き始め心に影を落とし父に反抗し始める。そうした状況に突如現れた派手な黒人プロモーター、ジョージ・ワシントン・デュークは黒人ボクサーのユニオン・ケインとの対戦のためにロッキーに現役復帰を打診するが、ロッキーは反対する家族の想いを優先させる。すると、デュークの食指はロッキーの愛弟子として快進撃を続けるトミーに向けられる。そして甘い誘惑によりトミーをロッキーのもとから引き抜く。喪失感の中、本当に大事なものに気づいたロッキーは、やがてJr.との仲を修復していく。・・・



ロッキー5 最後のドラマ amazon
 
シリーズ1作目で監督を務めたジョン・G・アヴィルドセンを再び監督として招聘、『ロッキー』シリーズに終止符を打つ作品として製作されたとか。この作品は、いつものマンネリまで陥りそうで陥らないドラマ性が有りオイラ的には面白かったんだけど、シリーズ最低の興行成績で内容は評論家に酷評されたそうです。
ロッキーはパンチドランカーになってて試合のライセンスは下りず、更に会計士にはめられて破産します。金持ちから奈落そこに落ちますが、トミー・ガンというボクサーに会い自分の夢を託して彼のマネージャー兼トレーナーをやります。トミーは連勝街道を驀進しますが、いつもロッキーの子分、クローンと新聞に書かれ不満が溜まります。そして金と女に目がくらんだトミーはロッキーを裏切り、興行主デュークの元へ。その後、トミーはヘビー級世界チャンプのユニオン・ケインを倒してチャンプになるのですが、何故か実力を疑う世論&ブーイングの嵐で誰も褒めてくれません。結局ロッキーを倒さないと、ということになりバーに試合の申し込みに行き、そこで喧嘩、ストリートファイトになってしまう。デュークにとってはチャンプが一円にもならない喧嘩で、ロッキーと対戦して負けてしまいアホの極致になりました。更にロッキーにボディーにぶち込まれ気絶しちゃいます。悪徳プロモーターを始末したロッキーはみんなに讃えられてハッピーエンド。あと、このトミーをめぐる物語に、息子ロバートをロッキーはほっちっちにして家族の分断を招き、トミーに裏切られて、また修復するって物語が絡んでいました。この最後の喧嘩で終わるってオチが大抵不評を買ったんでしょうね。やはり、ロッキーは年は食っても、いつまでもヒーローであって欲しいというみんなの願いがあるのかもしれませんね。

以下、ウィキよりトリビア。
配役:新鋭ボクサー役で出演したトミー・モリソンは、WBO・IBCのプロボクシング世界ヘビー級チャンピオンであり、当時黒人が活躍の中心であるボクシング界において「ホワイト・ホープ:白人の希望」として注目された。ロッキー・ジュニア役で出演したセイジ・スタローンは、シルヴェスター・スタローンの実子である。
キャラクター:悪徳黒人プロモーターとして登場するジョージ・ワシントン・デュークは、モハメド・アリやマイク・タイソンなどの試合をプロモートし、世界規模で著名なプロモーターのドン・キングがモデルであると言われている。キングはシリーズ3作目まで登場していたミッキーのモデルとも言われる名伯楽カス・ダマトが激しく嫌っていたことでも有名である。
アナザーバージョン:本作で監督を務めたジョン・G・アヴィルドセンが2002年頃にオンラインで公開していたディレクターズ・カット版[ このアナザーバージョンは映画完成当初に公開を予定していた編集がされる前のものであり、劇場公開版やソフト版と比べるとビル・コンティ作曲の音楽が多く使われている他、約10分ほどのカットされた未公開シーンが追加されており、1作目に登場したリトル・マリーが再登場している他、ストリートファイトのシーンも通常版とは大きく内容が異なっている。このアナザーバージョンは2017年現在、VHS・DVD共に一般には出回っていないが第三者の手によって動画サイトなどに映像が流出している。

1990年 アメリカ Rocky V ★★★
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
脚本:シルヴェスター・スタローン
音楽:ビル・コンティ
撮影:スティーヴン・ポスター
出演:シルヴェスター・スタローン ロッキー・バルボア
タリア・シャイア エイドリアン
バート・ヤング ポーリー
トミー・モリソン トミー・マシン・ガン
セイジ・スタローン ロバート、ロッキー・ジュニア
バージェス・メレディス ミッキー・ゴールドミル
リチャード・ガント ジョージ・ワシントン・デューク
マイケル・ウィリアムズ ユニオン・ケイン
デリア・シェパード カレン、トミーの彼女だがデュークの手先。