先進的な医療施設キャンベルセンターで働く小児精神科医のキャサリンは昏睡状態の少年エドワードの内面世界に特殊な機器を使って入り込み、内なる彼とやりとりしながら意識の回復を目指す治療に携わっていた。結果は芳しくなくキャサリンは自分の内面にエドワードを招き入れる方法を考慮しつつあったが、それは未知の領域でリスクがあった。そんなある日、昏睡状態の連続殺人犯カール・スターガーがセンターに運び込まれる。彼に誘拐された女性ジュリアが40時間後タイマー仕掛けで溺死させられる危機にあるため、彼女が閉じ込められている場所をカールの内面から聞き出そうというのだ。キャサリンがカールの内面世界に侵入すると、その世界には少年時代の素直なカールと、玉座に君臨する狂気のカールが住んでいた。危険を感じたキャサリンはカールの世界から脱出する。



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カールの捜査を担当しているFBI捜査官ピーターとの会話で気持ちを落ち着け、再びカールの精神世界に戻るキャサリン。そこでキャサリンは少年時代のカールが父親に受けていた虐待を目にする。また水に浸けられる洗礼式で味わった苦しさが、彼の中に別人格を作り出したことを知る。悪魔のような扮装のカールに襲われたキャサリンは現実と精神世界の区別を失いカールの世界から出られなくなってしまう。キャサリンを助けるためにFBI捜査官ピーターがカールの世界に入る。ピーターはキャサリンに現実を思い出させることに成功。また被害者が閉じ込められている場所のヒント、巻き上げ機のメーカーを見つける。カールの世界から脱出後、ピーターはジュリアが閉じ込められている現場に急行して、ジュリアが閉じ込められている水槽を壊して彼女を助ける。
一方キャサリンは独断で装置を操作し、今度はカールを自分の精神世界に招き入れる。キャサリンの世界にやってきたの少年のカール。彼はキャサリンの世界にいたがり思い出話をする。それは、小さい頃に鳥を見つけたがDVの父親に見せたら酷いことをされると分かっていたので、自分で水に浸けて殺した。そうやって「助けた」と彼は言った。キャサリンがそうしてくれれば元の世界に帰らなくて済むと。そんなことはできないとキャサリンは断る。そこに少年のカールを追って邪悪なカールが現れるが、そこはキャサリンの世界であり彼女がその世界の主だった。キャサリンは邪悪なカールの胸を剣で突き刺した。しかし、邪悪なカールが受けた傷は少年のカールにも反映していた。お前は俺を殺せないと嘯く邪悪なカール。少年のカールはキャサリンに「助けて」と呟く。やむなく、キャサリンは彼を抱き上げて水に沈めて殺した。キャサリンは現実に戻ってくる。泣きじゃくるキャサリンの隣でカールは事切れていた。後日、キャサリンはカールの部屋を見た後にピーターに会う。そしてエドワードの治療にも進展が見え始めた。・・・幕

人の心に入り込み精神治療するキャサリン。さすがに分裂症の殺人鬼の心の中はブッキーの極地でしたね。黒犬が血だらけのバスタブの横でブルブルするスローモーション撮影は不気味だし、馬を生きたまま輪切りにするヴィジュアルは、発狂もんですなぁ。更に、原色ばかりの被害者の女たちが展示されている館も恐かったし。

2000年 アメリカ THE CELL ★★★★
監督:ターセム・シン
脚本:マーク・プロトセヴィッチ
撮影:ポール・ローファー
音楽:ハワード・ショア
衣裳デザイナー:石岡瑛子、エイプリル・ネイピア
出演:ジェニファー・ロペス キャサリン・ディーン、精神科医
ヴィンス・ヴォーン ピーター・ノヴァク、FBI捜査官
ヴィンセント・ドノフリオ カール・スターガー
マリアンヌ・ジャン=バプティスト ミリアム・ケント、キャサリンの同僚の精神科医
ジェイク・ウェバー ゴードン・ラムジー、FBI捜査官