第二次世界大戦の直前、ニューヨーク・グローブ社の新聞記者ジョニー・ジョーンズは海外特派員としてヨーロッパに派遣された。ロンドンで、和平の鍵を握るオランダの政治家ヴァン・メアへの取材を試みるジョニー。平和運動家で富豪のフィッシャーがヴァン・メアの歓迎パーティーを開き、その席でジョニーはフィッシャーの娘キャロルと知り合った。平和会議の取材のために、アムステルダムへ向かうジョニー。その会場でヴァン・メアが射殺された。犯人を追跡したジョニーは、死亡したヴァン・メアが替え玉であり、本物はドイツのスパイ組織に拉致されたこと、そして、事件の首謀者がフィッシャーであることを突き止めた。



¥何も知らないキャロルに恋心を抱きながらも、フィッシャーとの駆け引きにキャロルを利用するジョニーとスコット。ヴァン・メアの救出には成功したが、ジョニーの行動に不審感を抱いたキャロルは、父と共に飛行機でアメリカに向け飛び立った。英・仏の対独宣戦により、ロンドンも安全な場所ではなくなったのだ。ヴァン・メアの証言によって事件の全貌が明かされ、フィッシャーは飛行機がアメリカの空港に着陸次第、逮捕されることになった。覚悟を決めて娘に真実を告げるが!ドイツの軍艦に飛行機は撃墜されて海に墜落。翼に捕まり海に漂い救助を待つも、人が多すぎるので翼が沈むかもしれない。フィッシャーは娘を助けるため自ら死を選び海に消えた。ジョニーの記事は特タネになった。彼は後にキャロルと共にロンドンに戻り、激しい空襲の最中にも、ラジオで熱心に戦況を伝え続けるのだった。、、、幕。

アルフレッド・ヒッチコックのハリウッドにおける二作目の映画作品であり、第二次世界大戦前夜の欧州を舞台としたサスペンスです。実績なし、喧嘩っぱやく、退職寸前のダメ新聞記者ジョニーが、社長に突然海外特派員に選ばれ、イギリスでスパイ事件を追う物語。全体的には、風車小屋と飛行機墜落シーン以外は、あまりハラハラもないし、単調的に話は進んでますな。それに、スパイの黒幕、フィッシャーのキャラ作りは冷酷な人と劇中で言ってますが、飛行機で娘に正直に話す所なんか良い人になってます。サスペンスとして盛り上げるには、ちょっとキャラが中途半端な気がしました。フィッシャーより、顔的にもクルーグ役の方が悪役っぽい顔ですしね。でも、一番驚いたのはこの映画の製作年。公開が1940年と言うことは、第2次世界大戦中に撮ってるってことです。そう聞くと、ヒトラーとは1回しか出てこず、イギリスがドイツに宣戦布告とも1回だけですが、これはプロパガンダ映画として撮ったのかな?とも思いました。特に最後のアメリカ国家(国を守り、星条旗をはためかせて、愛する者を戦争から守れと言う歌詞)のシーンは、それを想起させますな。



1940年 アメリカ Foreign Correspondent ★★★
監督: アルフレッド・ヒッチコック
製作:ウォルター・ウェンジャー
脚本:チャールズ・ベネット、ジョーン・ハリソン
台詞:ジェイムズ・ヒルトン、ロバート・ベンチュリー
撮影:ルドルフ・マテ
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ジョニー:ジョエル・マクリー ジョニー・ジョーンズ=ハバストック(社長がつけた愛称)
ラレイン・デイ キャロル・フィッシャー、世界平和党の党首だが、実はナチスのスパイ。
ハーバート・マーシャル スティーグン・フィッシャー、キャロルの父
ジョージ・サンダース スコット・フォリオット
アルバート・バッサーマン ヴァン・メア
ロバート・ベンチリー ステビンズ、ジョニーの先輩海外特派員、いつも遊んでる。
ハリー・ダヴェンポート ニューヨーク・グローブ社のパワーズ社長