紀元前3世紀・戦国時代の中国。依頼を受けた1人の刺客が刀匠の一家を皆殺しにした。最後に盲目の娘を殺した刺客は、自らの生業のむなしさを悟る。刺客の名は荊軻(けいか)といった。一方、後に始皇帝となる秦王・政は天下統一の事業を進めていた。政が趙の人質だったころからの幼馴染であり、今は自分が秦の人質となっている趙姫(ちょうき)は、政と互いに惹かれあっていたが、秦の攻撃で趙に戦火が及び故郷の地で殺戮が繰り広げられることを恐れてもいた。そこで趙姫は政と謀って、秦の人質となって政を激しく憎んでいる燕の太子・燕丹(えんたん)を無理やり帰国させて、秦王暗殺の刺客を送らせる。それを口実にして秦は燕に宣戦布告、そして燕・趙を含む六国すべてを無血降伏に追い込むという計略を立てた。燕丹とともに燕に着いた趙姫はそこで荊軻と運命の出逢いを果たす。・・・



始皇帝暗殺作戦の裏には、趙姫の複雑な想いがありました。それは故郷・趙国の平和を望む想い、幼馴染の始皇帝を目指す政王への愛、そして刺客を辞めて人間として生きようと努力する荊軻への想い、です。この戦国の世を女の目線で、女の気持ちを交えて、描いた壮大な歴史ドラマです。また、残虐な始皇帝というイメージを払拭する、昔は人間らしい秦王・政という側面も(呂不韋りょふいが自殺するまで)強調されていました。
終盤、政が趙を攻めて、その皆殺し具合を見て趙姫が激怒。「何が民を救う?大虐殺じゃないの?」と。政は言う「趙は人質のわしを馬飼い扱いして辱めたから、特別にやらねば。」趙姫は愛し合っている荊軻にすべてを教え、荊軻は樊於期の首を持って秦王・政への接見(暗殺)に臨みます。領地兼上の地図の中に短剣を隠しますが1回目失敗、2回目自分の剣を抜きますが、なんと剣は折られており政の刃にあっさり倒されます。そして荊軻は笑いながら、樊於期の遺言「後宮で起こったことは誰にも言わぬ」と言い死にました。その後すぐ趙姫が戻り、荊軻の亡骸を預かり燕に帰ります。丁寧に弔った後、趙姫は荊軻の友達(荊軻に草鞋の結び方を教えた医者)とお腹の子と共に旅立ちました。そんで幕。

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1998年 中国・日本・フランス 荊軻刺秦王、The Emperor and the Assassin
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
製作総指揮:韓三平(ハン・サンピン)、角川歴彦、古川博三
製作:陳凱歌、高秀蘭(シャーリー・カオ)、井関惺
脚本:陳凱歌、王培公(ワン・ペイコン)
撮影:趙非(チャオ・フェイ)
美術:屠居華(トゥ・チュイホワ)
録音:陶経(タオ・チン)
編集:周新霞(チョウ・シンシア)
音楽:趙季平(チャオ・チーピン)
衣装:莫小敏(モゥ・シャオミン)
主題歌プロデュース:小室哲哉
主題歌:Ring 「PRIVATE PARADISE」
出演:鞏俐(コン・リー)趙姫(ちょうき)
張豊毅(チャン・フォンイー)荊軻(けいか)
李雪健(リー・シュエチエン)秦王・政(後の始皇帝)
孫周(スン・チョウ)燕丹(えんたん)
王志文(ワン・チーウェン) 嫪毐(ろうあい)、政の側近だが皇太后と通じ2人の息子を隠していた。最後はクーデターを起こしたが失敗、車裂きの刑となり息子ともども殺される。
陳凱歌(チェン・カイコー) 呂不韋(りょふい)、秦の宰相。政の父親・秦王が趙の人質になっていた時、呂の妾(後の皇太后)を政の父親(後の秦荘襄王そうじょうおう)に渡した。妾は既に呂の子を身ごもっており、それが政であり、そうなると政の本当の父親は呂となる。この話は嫪毐がしたが、政は父親かもしれない呂を殺せず(趙での人質時代に字を教えてくれたり、趙から彼が助けてくれたし。)この事は呂が逆臣として自殺して幕引きとなった。
顧永菲(クー・ヨンフェイ) 皇太后、政の母。嫪毐との関係がバレて、雍(よう)の地に追放される。
呂暁禾(リュイ・シャオホ)樊於期(ばんおき)、秦の将軍だったが燕に亡命する。
趙本山(チャオ・ペンシャン)高漸離
丁海峰(ティン・ハイフォン)秦舞陽
周迅(ジョウ・シュン)盲目の少女