20年前、太田勝造(大勝だいかつ)は娘義太夫の呂鶴と駆け落ちするが、呂鶴は追っ手に斬り殺され、幼い娘・房子(ふさこ)が残された。大勝は房子を土佐随一の料亭、陽暉楼に預けた。昭和8年、房子は売れっ子芸妓(げいぎ)・桃若(ももわか)に成長した。大勝の仕事は芸妓、女郎(じょろう)をあっせんする女衒(ぜげん)である。彼は、ある日稲宗(いなそう)組から、妻の身売りに来た中学教師を紹介される。勝造が男に百円の前金を渡すと、翌日夫婦はそのままトンズラ。しかし、大勝は2人を探そうとはしなかった。大勝の愛人・珠子(たまこ)は「大勝と別れて、一花を咲かすため芸妓になる」と言いだす。彼は陽暉楼に連れて行くが、女将に「この子ではあかん」と断られる。帰りがけに桃若の姿を見かけた珠子は「これが陽暉楼の芸妓(げいぎ)かいな」と捨て台詞を吐く。そして、桃若への対抗心から、珠子は玉水遊廓(たまみずゆうかく、女郎屋)に行くことを決めた。



ある宴席で、桃若は帝大出の銀行員・佐賀野井と出会い恋心を覚える。一方の珠子は玉水の明月楼に入り、初めての夜に嫌になり逃げ出してしまうが、意を決して店に戻る。珠子は売れっ子の女郎となる。 以前、大勝から金を持ち逃げした女は、丸子という芸妓になっており、稲宗組の指図でスパイとして陽暉楼に送り込まれてきた。ある日ダンスホールで、桃若ら芸妓と贔屓(ひいき)客の一行は、珠子たちに鉢合わせをする。珠子はあてつけるように佐賀野井と一緒にダンスを踊り、皆の喝采を浴びる。桃若が頭にきて、それを途中で止めさせたので、その後洗面所で桃若と珠子はつかみあいの喧嘩になる。髪を振り乱した姿で、1時間遅れてしまったが桃若は佐賀野井と会い、二人は結ばれた。桃若はやがて妊娠するが、佐賀野井は何も言わずに桃若を捨ててヨーロッパに旅立ってしまった。陽暉楼の女将は、桃若の子は大スポンサー・堀川の子だということにして、いずれ桃若に店を継がせようと考えていた。しかし桃若は女将の意に従わず堀川と別れ、一人で女の子を産む。しかし、肺病Z?結核?胸を病み働けなくなった桃若は、子供を陽暉楼に託す。陽暉楼の主人・源八は、ばくち好きで、土佐への進出を狙う稲宗組から借金を重ねる。稲宗組に従わない勝造は、命を狙われることになる。・・・

これは、宮尾登美子の小説を映画化したもの。オイラは原作は読んでいません。昔「宮尾本 平家物語」は読破して、大好きでした。さて、高知の芸妓の話だから、吉原炎上のような映画かな?と思い見ましたが、ちょっと違ってました。No.1芸妓・桃若こと池上季実子さんの美貌を押し出したシーンは数多くあるものの、苦労した人生を描写していたのは、大勝こと緒形拳でしたね。特に彼と稲宗組との確執は、極妻シリーズさながらな迫力でした。あと若い浅野温子、まだ子供の仙道敦子の姿は、初々しくて、コケティッシュでしたね。

1983年 日本 The Geisya
監督:五社英雄
脚本:高田宏治
原作:宮尾登美子
撮影:森田富士郎
編集:市田勇
音楽:佐藤勝
出演:緒形拳 太田勝造、大勝だいかつ
池上季実子 豊竹呂鶴、房子の母/太田房子=桃若、一人二役
浅野温子 珠子
風間杜夫 仁王の秀次、大勝の子分
仙道敦子 とんぼ、陽暉楼の芸妓
西川峰子 助次、陽暉楼の芸妓
佳那晃子 丸子、稲宗組のスパイ
小池朝雄 稲村宗一、大阪・稲宗組の組長
成田三樹夫 三好辰吉、稲宗組若頭
大村崑 大阪駅駅員
田村連 佐賀野井守宏、帝大出、南海銀行の御曹司。桃若はこの人の子を身ごもるが、捨てられた。
北村和夫 山岡源八、陽暉楼を経営。表向きは真面目な商売人だが、博打好き。気の強いお袖の尻に敷かれっぱなし。丸子と関係を持つが、温泉旅行がばれて、手を切る。
曽我廼家明蝶 堀川杢堂、銀行協会の会長。桃若の上物の客で、陽暉楼の客の中で特に大事にされている。
丹波哲郎 前田徳兵ヱ
倍賞美津子 陽暉楼の女将、お袖