日本の極道界の頂点に君臨した坂松組三代目組長が死んでから3年が過ぎ、その跡目を継ごうと名乗りをあげたのは、若頭の海原泰明と舎弟頭の佐渡拓磨のふたりだった。しかし新興勢力の海原に比べ、バブルで弾けてしまった佐渡は各方面に借金などがあって分が悪い。佐渡は昔のよしみから、“北陸の女帝”の異名を持つ洲崎組組長の洲崎香矢に運動資金20億円を提供して貰うことにした。香矢が佐渡側についたことで、香矢の亡夫の舎弟でありながら、現在は海原派に身を置く神鳥組組長・神鳥亮平は難しい立場に追いやられるだろうと胸騒ぎを覚える。その頃、香矢を姐と慕っている神鳥の妻・静尾の弟の新が、2年の刑を終えて刑務所から出所した。香矢の家を訪れた新は香矢の愛娘・香織と出会い、お互い魅かれあうものを感じるが、素直でない性格のふたりは諍いを繰り返し、それはやがて洲崎組と神鳥組の小競り合いにまで発展してしまう。



これにより、神鳥は海原の参謀・市元の指示で佐渡と香矢を討つことを命ぜられる。香矢からの資金提供によりすっかり形勢を逆転させた佐渡は香矢と兄弟の盃を交わして、さらに跡目に近づこうとしていたが、琵琶湖畔のホテルで行われた佐渡の激励会で市元の送り込んだ刺客が佐渡を殺害し、会に出席していた香矢も神鳥に銃口を向けられた。もはやこれまでかと思ったその時、ようやく香織に自分の気持ちを打ち明けて結婚していた新が、義理の母である香矢の命を守ろうと身を挺してそれを阻んだ。神鳥も義弟を撃つことはできず、市元の計画は失敗に終わって神鳥は殺されてしまった。坂松組組長には入れ札の結果、海原が就任することになったが、海原は就任後まもなく、香矢の送った刺客・崎津によって殺され、その跡目に立とうともくろんだ市元も静尾によって殺害される。ところが、これは全て香矢の仕組んだ筋書き通りの展開だった。彼女は極道界の頂点を極めるという自らの野望のために、この危険な賭けにうって出たのだった。彼女を邪魔する者がいなくなった今、その野望は現実のものになろうとしていた。・・・幕

今回もいつもとは違う展開かな、、、志麻姉さんが担いでいる佐渡親分は、ちょっとチャラチャラし過ぎのキャラだし、歳食ってる爺さんだからピンと来なかったな。ラストになって、邪魔者は消えて、さあ、自分の出番だ、志麻姉さんが立つか?という展開は面白かった。志麻姉さん、今回は自分の手は汚さずに勝負してたからね。あと、志麻姉さんの娘を工藤静香さんが演じてますけど、彼女の雰囲気では優しすぎかなぁ?わがままお嬢様候って感じでしたね。

1996年 日本 ★★
監督:中島貞夫
企画:日下部五朗
プロデューサー:奈村協 、 小柳憲子
原作:家田荘子
脚本:高田宏治
撮影:木村大作
音楽:大島ミチル
主題曲:工藤静香
出演:岩下志麻 洲崎香矢
かたせ梨乃 神鳥静尾、神鳥亮平の妻
石橋凌 神鳥亮平、神鳥組の親分
原田龍二 村木新(しん)、静尾の弟
工藤静香 洲崎香織、香矢の娘
北村和夫 佐渡拓磨
中尾彬 市元裕兵
原田大二郎 海原泰明
火野正平 崎津清、一匹狼ノhitman、元警察官。
南田洋子 杉岡武子、坂松組の霊代
小西博之 松島明光、神鳥組のNo.2
川島なお美 松島仁美、松島明光の妻でクラブ経営。
及川麻衣 南美