織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持った甲賀のくノ一だった。・・・



時の権力者(信長、秀吉、家康)に雇われ、または敵対し翻弄される伊賀忍者の悲哀を描いている時代劇です。中井貴一のカリスマ性のある演技、鶴田真由の甲賀の監視役から、ひたむきな愛が生まれちゃう一途な女性像、、、良いですね。そして、ラストではびっくりの展開でした。伊賀から武家になりたい野望ばかりが先行して、結局大泥棒・石川五右衛門にされちゃって天ぷらの刑(釜茹での刑)に処せられる上川隆也がいたのです。
完全ネタバレは、ここのサイトでね。

1999年 日本 Owls' Castle ★★★☆
監督:篠田正浩
原作:司馬遼太郎
脚本:篠田正浩、成瀬活雄
音楽:湯浅譲二
出演:中井貴一 葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)伊賀忍者
鶴田真由 小萩(こはぎ)、重蔵の監視役だったが愛してしまう甲賀のくノ一。
葉月里緒菜 木さる(きさる)伊賀忍者で京都で大道芸人をやってる。
上川隆也 風間五平
永澤俊矢 摩利支天洞玄(マリシテンどうげん)甲賀
根津甚八 服部半蔵、家康の隠密
山本學 下柘植次郎左衛門
火野正平 黒阿弥、重蔵の部下
津村鷹志 前田玄以
マコ 豊臣秀吉
中尾彬 徳川家康
花柳錦之輔 石田三成
馬渕晴子 老女楠(くすのき)小萩の召使を装うが実は甲賀の先輩。
田中伸子 淀君
小沢昭一 今井宗久(そうきゅう)商人でお茶家。家康と秀吉暗殺を企画。重蔵と接触。小萩を養女にしてる。
中村敦夫 葛籠太郎兵衛
岩下志麻 北政所(きたのまんどころ)能を見るシーンだけで、ちょっと寂しい出演でした。