フランスのアルプスの麓にあるゲルノンは、フランス有数の名門大学であるゲルノン大学を擁する大学城下町である。そこで、目をくりぬかれ両手は切断され、体中を鋭利な刃物で切りつけられた、胎児のような格好をした遺体(図書館の司書レミー・ケロワ)が地上50mの崖から発見される猟奇殺人事件がおきた。この事件の捜査に、パリ市警からニーマンス警視が派遣される。殺害された男性は眼球を摘出されており、二ーマンスは眼に入った水を調べるように指示する。その後、彼は地元の眼科医、シェルヌゼ医師を訪ねる。シェルヌゼは遺伝的な目の研究をしていた。彼はゲルノンでは昔から近親結婚が多く、遺伝的に目に異常のある子どもが多く生まれてきたと話す。しかし2世代前からそれがなくなってきたと不思議に思っていた。同じ頃、ゲルノンから200㎞にある田舎町サルザックで墓荒らしが起こり、駐在員のマックス警部補が捜査にあたる。荒らされた墓に眠っていた人物は僅か10歳でトラックに轢かれて死んだジュディット・エローだった。彼女の墓には鉤十字が書かれ、当初はネオナチ・グループ、スキンヘッズによる犯行と考えられたが、墓の管理人の「悪魔に殺されたとその娘の母親アンドレは言っていた。」という言葉がマックスの頭に引っかかる。やがて、何の関係も無いと思われたこれら二つの事件を結びつける驚愕の事実が明らかになる。・・・


猟奇殺人鬼の事件と墓荒らしの事件が中盤まで別々に描かれて、そして絡みついて、2人の刑事が謎解きする、、、面白い映画でした。ただオチに関しては、設定は背徳チックで、ホラーっぽくて良かったのですが、単なる個人の恨みという事でスケールダウンしちゃったね。ナチの優生学ごとく高い身体能力に、高い知性を持つ超人を作り出そうとする大学。ここは、大学とは名ばかりの繁殖場でした。このプロットは実際のナチがやっていたことを参考にしたんですね。以前ナチの繁殖場はNHKBSで放映してました。

2000年 フランス映画 THE CRIMSON RIVERS、LES RIVIERES POURPRES ★★★☆
監督:マチュー・カソヴィッツ
原作:ジャン=クリストフ・グランジェ
脚本:マチュー・カソヴィッツ
撮影:ティエリー・アルボガスト
音楽:ブリュノ・クーレ
出演:ジャン・レノ ピエール・ニーマンス警視
ヴァンサン・カッセル マックス・ケルケリアン警部補
ナディア・ファレス フェニー・フェレイラ
ドミニク・サンダ シスター・アンドレ、ジュディットの母親
カリム・ベルカドラ ダーマン隊長
ジャン=ピエール・カッセル ベルナール・シェルヌゼ医師、
ディディエ・フラマン 学長
ローラン・ラフィット 学長の息子、親の命令で二ーマンスとマックスの乗る車を転倒させようと防弾ガラスの4駆で襲うも、逆に撃たれて死亡。