肥前国島原で起きた島原の乱では、幕府軍の総攻撃でおよそ3万7千人の民が惨殺された。やがて“魔界転生”という死者再生の術によって、乱の総大将・天草四郎がこの世によみがえる。隻眼の剣豪・柳生十兵衛は、北条主税(ちから)、小栗丈馬、戸田五太夫ら配下と剣術の稽古に明け暮れていた。幕府惣目付の父・柳生宗矩は、乱の後、怪しい動きをする軍学者・由比正雪を息子の柳生又十郎に探らせる。また、長崎に赴いた十兵衛は、真田十勇士の生き残り・根津甚八と四郎の姉・お品と出会う。一方、“魔界転生”により宝蔵院胤舜(ほうぞういんいんしゅう)、荒木又右衛門、田宮坊太郎、宮本武蔵らがよみがえり、武蔵と剣を交えた父・柳生宗矩も魔性の者に転生。さらに淀殿も呼び覚まされ魔界衆が集結。十兵衛と魔界衆との死闘が繰り広げられる。・・・


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オイラはこの題材は1981年と2003年の映画版を見ていまして、今回は舞台劇をBS日テレで見ました。舞台ですから人が消えたり、魂の出現をどう表現するのかが見ものでした。それは、透けて見える薄いスクリーンを上下させて、そこに映像やCGを映し入れ替わりで人は身を隠すって手法でした。ですから、舞台中央には回り込むスロープが付いた3m強の台が設営されており、大抵人はその裏に隠れ、映像と交代していたんだと思います。チャンバラシーンは多かったですが、敢えて血みどろの演出(CGでも)ほとんど無かったです。それよりも、魔界転生した者でも一部のものは、人の優しい心を持っていて極悪になれず、諭されたら自らまたあの世へ帰ります。(坊太郎、淀殿)こういう所は泣かせる所もちょっと有り、人間ドラマの色合いが強かったですね。また、四郎のワイヤーアクションも楽しいし、十兵衛のコミカルな発言も軽い笑いを取って面白かったです。
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2018年 日本テレビ開局65年の記念舞台劇 204分
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
音楽:ガブリエル・ロベルト
演出助手:松森望宏
舞台監督:小川亘
プロデューサー:松村英幹
出演:上川隆也 柳生十兵衛(やぎゅうじゅうべい)
溝端淳平 天草四郎時貞(あまくさしろうときさだ)
松平健 柳生但馬守宗矩(やぎゅうたじまのかみむねのり)、息子・十兵衛と戦いたい為に一番強い時の自分に転生する。
高岡早紀 お品、四郎の姉という事だったが実は母。旦那は淀殿の息子・豊臣秀頼。だから四郎は秀頼の息子だった。
村井良大 根津甚八
松田凌 北条主税(ちから)
玉城裕規 田宮坊太郎、主税の親友だったが病死して魔界転生する。
木村達成 柳生又十郎、十兵衛の弟
猪塚健太 荒木又右衛門、田宮坊太郎の師匠。転生する。
栗山航 小栗丈馬、十兵衛の家臣
丸山敦史 戸田五太夫、十兵衛の家臣
山口馬木也 由比正雪、転生の秘術を施して徳川幕府転覆を図る。しかし四郎の目的は朝廷も殺して日本壊滅だったため、たもとを分かつ。
藤本隆宏 宮本武蔵、転生する。
浅野ゆう子 淀殿、豊臣秀頼の母、豊臣秀吉の愛妾。大坂城にて徳川家康に殺されるが転生する。
野添義弘 宝蔵院胤舜、絶倫の槍の使い手。転生する。
皆本麻帆 すず、十兵衛の妹