医学生たちが火を囲んで大晦日の夜を楽しんでいた。そんな中で、ドクは数名の仲間たちと共に内気な学生ケニーにある悪質ないたずらを考えていた。美人学生アラナをひきあわせ、彼に初体験させようというのだ。“キス・ミー”というエレナの声に恐る恐るベッドに近づくケニー。しかし、ベッドに横たわっていたのは、ドクが解剖室から盗んできた女の死体だった。ショックのあまり、ケニーはカタトニア(緊張病)にかかり、精神病院ヘと送られた。それから3年後の大晦日。大学最後のパーティーを列車で過ごそうと、学生たちは豪華なSL列車を借り切った。しかし、それぞれが仮装して列車に乗り込む時、エドが何者かに殺されたことに気がついた者はいなかった。彼は三年前のケニー事件の仲間の一人だ。



列車内では、仮装パーティが行なわれ、マジシャンのショーなどと共に盛況をきわめた。アラナはモーと、ドクはミッチーとそれぞれカップルを組んだ。アラナとミッチーは親友だった。いずれもケニー事件の仲間だ。トイレの中でトカゲの扮装しているジャクソンの血まみれの死体を発見し列車内の異様な空気に気がついたのは、車掌のカーンだった。彼は続いてミッチーの惨殺死体も発見し騒ぎが大きくなることを恐れて、その事をアラナだけに打ち明けた。そして、女性魔術師を相手にしたマジック・ショーが最高潮に達した頃、モーが殺された。次々に起こる殺人事件にケニー事件が関係していると気づいたアラナは次には自分やドクが狙われると予感した。カーンは列車を止め、全員を外に出し調査したが、犯人らしき人物は見つからなかった。アラナは、ケニーがマジックに凝っていたことをアルバムで見て自分に関心を示している様子だったマジシャンが犯人では?と疑った。しかし、彼はケニーとは程遠い容貌で、謎は深まるばかりだった。そしてコンパートメントに戻って恐怖に怯えるドクが惨殺され、一人個室にこもっていたアラナは、老人の仮面をつけた犯人に襲われた。大格闘の末、犯人を車外につき落とすアラナ。マジシャンが老人に変装して殺しに来たのだと思った彼女は、彼を倒してほっとするが、その直後、マジシャンの部屋から彼の死体が発見される。犯人は一体誰か???恐怖におののく彼女の手をある人物がつかんだ。それは女魔術師だった。そして、それは、あのケニーが女装した姿だったのだ。3年前のようにアラナにキスを求めた後、再び狂ったように彼が発作を起こした時、車掌のカーンが現われ彼を殴り倒し、車外の川に転落。今度こそ彼は葬られた。・・・幕

ジェイミーリーが出ていると知らなかったので、ちょい新鮮でした。フィルモグラフィー調べたら、 刑事コロンボ/殺しの序曲 (1977)、ハロウィン (1978)、ザ・フォッグ (1980)の次ですから、スクリーミング・クィーンの座は射止めた後だったんですね。本作でも後半に絶叫しております。スプラッターもあるし、話はどんでん返しもあるし、凝った脚本で楽しめました。

1980年 カナダ・アメリカ映画 TERROR TRAIN ★★★☆
監督:ロジャー・スポティスウッド
製作:ハロルド・グリーンバーグ、ドン・カーモディ
製作総指揮:ダニエル・グロドニック、ラマール・カード
脚本:T・Y・ドレイク
撮影:ジョン・オルコット
音楽:ジョン・ミルズ=コッケル
出演:ベン・ジョンソン カーン、車掌さん
ジェイミー・リー・カーティス アラナ、何とか生き残る。
ハート・ボックナー ドク、ミッチーの恋人、5番目の犠牲者。逃げ込んだコンパートメントで喉切られてOUT。
デヴィッド・カッパーフィールド マジシャン、何故か殺された6番目の犠牲者。女性魔術師の正体=ケニーに気づいたか???
デレク・マッキノン ケニー、犯人。3年前のいたずらで病気になりサイコ化した。
サンディー・カリー ミッチー、3番目の犠牲者。ドクが浮気しているのを見て、いらついて偽ジャクソンを誘い、2階の寝台で首絞められて喉を切られる。
ティモシー・ウェッバー モー、アラナの恋人、4番目の犠牲者。マジックショーの途中、胸を突かれて死んだ。
アンソニー・シャーウッド ジャクソン、2番目の犠牲者、トイレで鏡に頭を叩きつけられた。
ハワード・バスギャング エド、汽車が発車する時、剣で腹を刺されて死亡。最初の犠牲者。
スティーヴ・マイケルズ ブレイクマン
D・D・ウィンターズ メリー