モニカ・リバースは、旅回りのサーカスの女団長。主人は空中ブランコの事故で6年前に亡くなっており、娘のアンジェラはお嬢様の寄宿学校に入ってる。ある夜、観客の目の前で綱渡りの名人ギャスパーの綱が切れて、首つりになって死んだ。これは事故ではない、殺人だと警察が動き出したが、モニカは冷然としているばかりか新聞で宣伝になり物見高い客が呼べるとさえ言うのだった。しかし株主でマネージャーのドランドは彼女の方針に反対だった。やがて、新しい綱渡り芸人フランク・ホーキンスが来た。モニカは彼を気に入り二人の関係が人々の口にのぼりだした。そんな頃第二の殺人が起った。マネージャーのドランドが額のまん中を長くぎで打ちぬかれて死んでいたのだ。犯人は内部の人間に違いないと座員がさわぎだした。彼が殺された夜、テントの中をモニカが歩いていたという目撃者が出てき、彼女に疑いの目が向け始められた。そんな騒ぎの中をアンジェラが放校されて、帰ってきた。そしてサーカスの一員となり、ナイフ投げの名人グスタボの助手となって働き始めた。


シーズンも終盤に入り、一座はロンドンで小屋をはった。その夜、第三の殺人が起った。人切り曲芸の舞台が進行している最中、箱に入っているマチルダが体を鋸でまっ二つに切られてしまったのだ。ねじが2本抜かれてて装置が動かなかったのだ。観客の面前で、しかもブルックス警視も見張っていたのに。そして稲妻が光り、豪雨がサーカスを襲った不気味な夜。次の犠牲者は綱渡り芸人フランクだった。彼は目隠しで綱を渡り、自転車に乗って渡り、最後、椅子を綱の上に置き自ら椅子に立った。成功したその時、何者かが天幕の陰からナイフを投げて背中を刺され転落、下に設置してあるナイフにも体を裂かれて即死。その時、犯人はロープで降下して逃げた。そしてブルックス警視は追跡。犯人はなんとモニカの娘アンジェラだったのである。モニカは外に出た時に落雷に当たり即死した。彼女は、父親を殺したサーカス、母を奪ったサーカスを憎み、サーカスを潰そうと連続殺人をしていたのだった。・・・幕

サスペンス映画としては、警察の捜査は進展0、犯人捜しのハラハラ感は無し。主演のサーカスの女団長は、おばさんでエロの対象外。(途中胴チョンパされるマチルダは未だ良いが)ショッキングシーンは冒頭のギャスパーの首つりと、ドランドの後頭部釘打ちだけ。
でーーも、オイラは楽しかったのです。何がというと、話と関係ないサーカスの出し物がノスタルジックに浸れて、50年前の木下大サーカスを想い出して(丁度この映画が製作された頃ですなあ。)楽しかったのです。象の曲芸、お利口なプードルたち、ライオンの芸とか最高でした。

1967年 イギリス映画 Berserk ★★☆
監督:ジム・オコノリー
脚本:ハーマン・コーエン、エイベン・カンデル
製作:ハーマン・コーエン
撮影:デスモンド・ディキンソン
音楽:パトリック・ジョン・スコット
出演:ジョーン・クロフォード モニカ・リヴァース
マイケル・ガフ ドランド
タイ・ハーディン フランク・ホーキンス
ジュディ・ギーソン アンジェラ
ロバート・ハーディ ロンドン警視庁のブルックス警視
ジョージ・クレイドン 小人のブルーノ
ダイアナ・ドース マチルダ
フィリップ・マドック ラズロ、マチルダの恋人で胴体切り裂きショーのパートナー。