カナダ・ケベック市の敬虔な神父マイケル・ローガンは、ある夜、教会で召使いとして働くオットー・ケラーから2000$の強盗殺人を犯したとの告解を聞く。事件を担当するラルー警視は犯行時に犯人が法衣をまとっていたことを突き止め、マイケルに疑いがかかる。だが、マイケルはケラーの告白を他言することができない。そのうえ、犯行のあった夜にマイケルが国会議員の妻ルースと逢っていたことがわかり、警察からの容疑が深まってしまう。ルースはマイケルの無実を証明するために夫ピエール、検事、警視、マイケルらの前で、マイケルが聖職を志す以前の過去の恋を打ちあける。そして、事件の被害者であるヴィレット弁護士が、この過去の恋を材料にして2人を脅喝し続けていた事実も判明する。ヴィレットが殺害された晩は、その対策を相談するために2人は逢っていたのである。・・・


ヒッチコックは、初めから犯人が観客に分かっていて、どういう風に犯人が捕まえられるのか?を楽しむ作風が多いです。これもそう。ローガン神父の苦悩が、たっぷり全編にわたって描かれてますし(人妻ルースとの秘密の恋、神父の規律・ケラーの告解は喋れず。)、後半の裁判シーンでは、初め人の良さそうな感じのロバートソン検事は、がんがん証人に突っ込みます。やはり検事ってこういう風だなぁと思いましたし、それで裁判のテンションは上がりました。あと、オイラは途中でローガンが神父は辞めて、ケラーが犯人と言うのじゃないかと思いましたが、違ってました。ローガンは自分が有罪=縛り首になろうとも裁判で言わず、証拠不十分で無罪を勝ち取ります。しかし、民衆は不倫疑惑&殺人疑惑の神父なんか信じるはずが有りません。やめろ!と罵倒され続け、最後はケラーの妻が庇い、旦那の凶弾を間違って受けて倒れます。警部とローガン達はホテルの大広間に、ケラーを追い詰め、ケラーは自分で罪を喋りまくりはじめ、最後は警察に撃たれて死にました。ケラーは裁判でも嘘八百並べてるし、こいつ本当にローガンの恩を仇で返してました、最悪の亡命ドイツ人って設定でした。因みにヒッチコック監督のカメオ出演は冒頭で、一人で高台を歩いてました。

1953年 アメリカ映画 I CONFESS ★★★☆
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:バーバラ・ケオン
原作:ポール・アンセルメ
脚本:ウィリアム・アーチボルド、ジョージ・タボリ
撮影:ロバート・バークス
音楽:ディミトリ・ティオムキン、レイ・ハインドーフ
出演:モンゴメリー・クリフト マイケル・ローガン、ケベック市の聖マリー教会のカトリック神父。
アン・バクスター ルース・グランドフォート、国会議員ピエールの妻。今も元恋人のローガンが好き
カール・マルデン ラルー警視
O・E・ハッセ オットー・ケラー、ドイツ人で亡命してきて、教会で夫婦住み込みで召使として雇ってもらっている。
ドリー・ハス アルマ・ケラー、オットーの妻。
ブライアン・エイハーン ロバートソン検事
チャールズ・アンドレ ミラーズ神父、ローガンの上司。
オヴィラ・レガーレ ヴィレット、事件の被害者。弁護士。脱税してて、国会議員ピエールの権力を使わせてもらおうと画策したが、ルースに断られた。そしてルースを恐喝していた。