カリフォルニア、モンタレー・ジャズ・フェスティバルの隣町、カーメル。KRMLラジオのスターDJ・デイブの番組には、決まった時間に同じ女がエロール・ガーナーの「ミスティ」をリクエストしていた。ある日、デイブは行き付けのバーでイブリンという女と出会う。彼女こそ「ミスティ」をリクエストしていた女だった。二人は一夜限りの情を交わすが、やがてイブリンは、勝手に彼の部屋に押しかけるストーカー状態になる。数日後、デイブは4ヶ月消息不明だったかつての恋人トビーと再会し、お互いの誤解を解き愛を確認する。だが、イブリンは執拗にデイブに迫りまくり彼は疲れ果てる。そして別れ話を持ちかけるが彼女の言動は日を追うごとに異常性を増して、ついには深夜、自宅に押し掛けたイブリンは浴室で自ら手首を切った。友達の医師を内密に呼んで手当する。彼女を動揺させないようにと、やむを得ず一晩彼女を泊めて傍で眠るデイブ。その後、イブリンはデイブの車を借りて勝手に出かけ、密かに合鍵を作り、入り口の梁の上に隠す。デイブはトビーにすべて打ち明けて帰宅すると、部屋はぐちゃぐちゃ。家政婦のバーディが瀕死の重傷を負い、傍らにはナイフを持った放心状態のイブリンがいた。


イブリンは療養所に収監されて暫く平穏な日々が続いていたラジオ本番中のある夜、退院したイブリンからハワイに行くと伝えられる。翌日、デイブは電話口でイブリンが口ずさんだエドガー・アラン・ポーの詩「アナベル・リー」を思い出した。「アナベル」とはトビーの新しい同居人の名前であった。そのアナベルこそがイブリンだったのだ。本番中に放送局を飛び出し、トビーの家に駆け込んだデイブが見たものは、トビーの身辺を警護に行ったマッカラム刑事の無惨な亡骸だった。デイブが闇の中へ突っ込んでいくと、ロープで縛られたトビーがいた。その刹那、背後からナイフを手にしたイブリンが襲いかかる。デイブも何回も切られ、乱闘の末、最後の右ストレートが彼女の顔面に炸裂。彼女は窓を破りベランダから断崖下の海へ落ちていった。彼女の亡骸は岩の上にあった。・・・幕



クリント・イーストウッド監督の地元で撮影したデビュー作品。この時、彼は41歳です。しかしデビュー作がサイコ・スリラーとは思いませんでしたね。オイラはジャズが好きなんで、スタンダードの「Misty」は当然知ってるし、冒頭に同僚のDJアルがかける「Just Squeeze Me」も嬉しかったです。ラス前にはモンタレーのライブ・シーンも有りましたし。イブリン役のジェシカ・ウォルターのサイコ演技は中々のものですね。ぎょろ目でハサミ持って、飛び掛かってくるシーンは、ゾッとしました。



1971年 アメリカ映画 PLAY MISTY FOR ME ★★☆
監督:クリント・イーストウッド
製作:ロバート・デイリー
共同製作:ジェニングス・ラング
原作:ジョー・ヘイムズ
脚本:ディーン・リーズナー、ジョー・ヘイムズ
撮影:ブルース・サーティース
音楽:ディー・バートン
出演:クリント・イーストウッド デイブ
ジェシカ・ウォルター イブリン
ドナ・ミルズ トビー、蒼い眼が可愛いね。
ジョン・ラーチ マッカラム警部