1932年、ポーランド東部の小さな町。鍛冶屋のユダヤ人青年ジシェは勉強好きな9歳の弟ベンジャミンとレストランで食事中、ユダヤ人であることを揶揄されて乱闘騒ぎを起こしてしまう。弁償できない彼はサーカスの怪力ショーで賞金5000ズロチを稼ぐ。それを見たベルリンのエージェントからスカウトされ、ジシェは単身ベルリンへ。彼の雇い主は、ヒトラー政権下でオカルト省を設立、自ら政界入りを果たそうと野望を持つハヌッセン。ドイツの有力者たちが集う館で怪力ショーを始めるジシェ。初めはジークフリートと素性を隠してショーしてたが、やがて葛藤し、弟が見に来た日に俺はユダヤ人、現代のサムソンだと告白する。その時はドイツ人やナチに罵倒されたが、翌日からジシェの舞台はユダヤ人界隈で話題を呼び、行列ができるほどの人気になる。しかし、ナチのユダヤ人排斥運動は日ごとに激しさを増していった。・・・


題名の無敵の男って、ハヌッセンの事かと思いきや、怪力男ジシェだったのは驚きました。ハヌッセンはヒトラーに取り入って政界進出を企みますが、真面目一徹ユダヤ人ジシェに詐欺師のことを暴露され、更にユダヤ人ともバレて銃殺されてしまいます。ジシェは仕事場を失い、密かに憧れを抱いていたピアニストの女性マルタとの別離を悲しみつつ帰郷。ナチの脅威、戦争とユダヤ狩りを予言します。彼は同僚に各々強くなってと訴えた所、彼の強さを見せる釘打ちで自らの右脚を裂傷してしまいます。そして破傷風になり右脚切断、11回の手術後亡くなりました。彼が亡くなった日はヒトラー政権が出来る2日前、、1933年1月28日。ユダヤの強い守り神を失ったらヒトラー台頭、、、なんか運命を感じますね。

2001年 ドイツ・イギリス映画 Invincible ★★☆
監督、脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
撮影:ペーター・ゼートリンガー
美術:ウルリッヒ・バーグフェルダー
編集:ジョー・ビニ
衣装デザイン:ジャイニー・テマイム
音楽:ハンス・ジマー 、 クラウス・バデルト
出演:ティム・ロス ハヌッセン
ヨウコ・アホラ ジシェ
アンナ・ゴラーリ マルタ
ヤコブ・ウェイン ベンジャミン
ウド・キアー ヘルベルト伯爵、ベルリンの警察署長