大正十年、松恵は土佐の大親分・鬼龍院政五郎(以下、鬼政おにまさ)の養女となった。松恵は鬼政の身の回りの世話を命じられたが、鬼龍院家では主屋には正妻の歌が住み、向い家には妾の牡丹と笑若が囲われており、鬼政が出向く日を妾二人に伝えるのも幼い松恵の役割りだった。ある日、鬼政は松恵、女や子分たちを連れ土佐名物の闘犬を見に行った。そこで漁師の兼松と赤岡の顔役・末長の間で勝敗をめぐり悶着がおき、鬼政の仲介でその場はおさまったが、末長は兼松の持ち犬をこっそり殺すという卑劣な手段に出た。怒った鬼政は赤岡に出むいたが末長は姿を隠していた。帰りぎわ、政五郎は末長の女房・秋尾の料亭からつるという娘を掠奪した。この確執に鬼政と末永の親分であり、大財閥の須田が仲裁に入り一応の決着はついたが、以来、政五郎と末長は事あるごとに対立することになる。これが機縁となって、つるは政五郎の妾とな、鬼篭院の女たちと対立しながら翌年女児を産んだ。その子は花子と名付けられ鬼政は溺愛した。勉強を続けていた松恵は鬼政に頼み込み、高等女学校の試験にパスして入学した。
昭和九年、土佐電鉄はストライキの嵐にみまわれ筆頭株主である須田の命を受けた鬼政はスト潰しに出かけた。そこで鬼政はストを支援に来ていた高校教師の田辺恭介と知り合い意気投合、そのせいで須田から絶縁されるハメに陥った。だが鬼政は意気軒昂、刑務所に入れられた田辺を十六歳になった花子の婿にし一家を継がせようと画策したが、獄中に面会に行かされた松恵を見て、田辺は松恵を好きになってしまった。やがて出所した田辺は政五郎に松恵との結婚を申し出、怒った政五郎はけじめで田辺の小指を斬り落とさせた。そして数日後、鬼政に呼び出されて襲われた松恵は死を決して抵抗、その後小学校の転勤願いを出して、鬼龍院家を出た。十六歳になった花子と神戸・山根組との縁談が整い、その宴の席で歌が倒れた。当時3人に1人は死ぬという伝染病・腸チフスだった。松恵は急遽戻り、必死の看病の甲斐も無く歌は亡くなった。松恵は再び家を出て大阪で労働運動に身を投じている田辺と一緒に生活するようになった。だが花子の許婚・権藤が東京でヤクザ同士の喧嘩で殺されたのを機に田辺と共に鬼龍院家に戻る。その時、松恵は田辺の子供を身籠っていた。南京陥落の提灯行列がにぎわう夜、花子が末長に拉致され、これを救おうとした田辺も殺された。鬼政はまず子分を送り込んだが橋に仕掛けられたダイナマイトで出鼻をくじかれ全滅。そして鬼政は死を覚悟して(花子も一緒に死んで)相良と2人で末長に殴り込みをかけたが、実は、花子は自分の意志で末長の所に来ていた。末長を守る花子を見て、血だらけの鬼政は引き警察に捕まった。それから二年後、鬼政は獄中で死んだ。そして数年後、松恵に一通の手紙が届き、大阪のうらぶれた娼家に花子を訪ねた時、花子も既に帰らぬ人となっていた。・・・幕
これの原作、任侠道一筋鬼政は実話です。(下記参照)ウィキの原作のあらすじを見ると、映画版とはラストが違ってましたね。花子の夫、神戸のヤクザ権藤は東京で殺られて、その時鬼政は生きてます。また花子の母つるは行方不明で死んでいません。どうも北陸で女郎してると鬼政の一番弟子相良が言ってます。初めオイラは花子というのは夏目雅子だと思い込んでおり、出だしが花子の死からだったんで面喰いました。主人公の仲代達也の演技は絶妙で、ヤクザ親分の凄みと人間味ある弱さやいい加減さが混じり合ってて、良い味を出してます。これは乱でも共通してますね。凄みだけだと正直、オイラが大好きな岩下志麻の冷徹さや、死ぬ断末魔の三味線のが強烈です。そして、土佐弁の「きに」「やぎ」「ぜよ」の語尾が、ヤクザ言葉にピッタリで、やけに迫力を醸し出してました。夏目雅子の清楚な美貌は当然ながら眩しくて、子供時代の仙道敦子も可愛かったです。
完全ネタバレサイトは、こちら。
1982年 東映映画 ★★★★
監督:五社英雄
企画:佐藤正之、日下部五朗
プロデューサー:奈村協、遠藤武志
原作:宮尾登美子
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
編集:市田勇
音楽:菅野光亮
助監督:清水彰
出演:仲代達矢 鬼龍院政五郎
岩下志麻 歌(うた)、鬼政の正妻、腸チフスにかかり、松恵が移されても看病し続けたが、亡くなった。
夏目雅子 松恵
仙道敦子 松恵(少女時代)
佳那晃子 つる、花子の母
高杉かほり 鬼龍院花子
中村晃子 牡丹、鬼政の妾、つると反目する。
新藤恵美 笑若(えみわか)、鬼政の妾、つると反目する。
室田日出男 相良、鬼政の一番弟子
夏木勲 兼松
誠直也 権藤哲男
梅宮辰夫 山根勝
内田良平 末長平蔵
夏木マリ 秋尾、末長の妻、殴り込み時、相良に刺殺される。
丹波哲郎 須田宇市
これの原作、任侠道一筋鬼政は実話です。(下記参照)ウィキの原作のあらすじを見ると、映画版とはラストが違ってましたね。花子の夫、神戸のヤクザ権藤は東京で殺られて、その時鬼政は生きてます。また花子の母つるは行方不明で死んでいません。どうも北陸で女郎してると鬼政の一番弟子相良が言ってます。初めオイラは花子というのは夏目雅子だと思い込んでおり、出だしが花子の死からだったんで面喰いました。主人公の仲代達也の演技は絶妙で、ヤクザ親分の凄みと人間味ある弱さやいい加減さが混じり合ってて、良い味を出してます。これは乱でも共通してますね。凄みだけだと正直、オイラが大好きな岩下志麻の冷徹さや、死ぬ断末魔の三味線のが強烈です。そして、土佐弁の「きに」「やぎ」「ぜよ」の語尾が、ヤクザ言葉にピッタリで、やけに迫力を醸し出してました。夏目雅子の清楚な美貌は当然ながら眩しくて、子供時代の仙道敦子も可愛かったです。
完全ネタバレサイトは、こちら。
ウィキより引用
宮尾の土佐の花街を舞台にした小説は、置屋の紹介人だった宮尾の父が残した14冊の日記、営業日記、住所録を主に参考として取材し創作されている。鬼龍院政五郎は父の日記にあった父にお金を借りに来た親分の話で、モデルになった人物が当時まだ存命で取材に協力してくれ、話を聞いたそのままの実話だという。
1982年 東映映画 ★★★★
監督:五社英雄
企画:佐藤正之、日下部五朗
プロデューサー:奈村協、遠藤武志
原作:宮尾登美子
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
編集:市田勇
音楽:菅野光亮
助監督:清水彰
出演:仲代達矢 鬼龍院政五郎
岩下志麻 歌(うた)、鬼政の正妻、腸チフスにかかり、松恵が移されても看病し続けたが、亡くなった。
夏目雅子 松恵
仙道敦子 松恵(少女時代)
佳那晃子 つる、花子の母
高杉かほり 鬼龍院花子
中村晃子 牡丹、鬼政の妾、つると反目する。
新藤恵美 笑若(えみわか)、鬼政の妾、つると反目する。
室田日出男 相良、鬼政の一番弟子
夏木勲 兼松
誠直也 権藤哲男
梅宮辰夫 山根勝
内田良平 末長平蔵
夏木マリ 秋尾、末長の妻、殴り込み時、相良に刺殺される。
丹波哲郎 須田宇市
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