20年代のローマ。裕福な貴族ダニエーレ・ディ・バニャスコは、夜毎のパーティーと女に明け暮れる生活を送っていた。ある晩、彼はレストランで若く美しいマノエラ・ロデリギを一目見て、彼女の虜になってしまう。マノエラはギオンデリという婚約者がいるのに、バニャスコに口説かれて彼の愛人となる。しかし、バニャスコにとってはマノエラは数ある愛人の一人であり、相変わらず他の女性とも浮き名を流していた。そんなバニャスコにマノエラが怒りをぶつけ、バニャスコの屋敷を訪れなくなる。彼女の来るのを3日間待つバニャスコ。そんな生活に嫌気がさした彼は田舎に住む科学者の友人ピサーニの家に滞在するが、すぐに都会の生活が恋しくなり、すぐにローマに戻った。


マノエラは、15歳の時にある男に処女を奪われて以来、男性不信になっていた。その話をマノエラから聞いていたバニャスコは、その男が従兄のミケーレ・バッラであることを偶然知る。更にミケーレはマノエラをフェルナンダの娼館に紹介して、客を取らせていたのだった。バニャスコはマノエラが娼婦だった事に激怒して、ピサーノから盗んだ毒を紅茶に入れたが、あと一歩で飲ませることはできなかった。そして、バニャスコの標的はミケーレへ変わる。彼は一計を案じ、ミケーレにマノエラをわざと近づけ、翻弄させようとした。しかし、バッラはいまだにマノエラを愛しており、自殺も覚悟したその一途さ故、マノエラの心がバッラに動いてしまった。彼女は今度は反対にバニャスコを騙し、ミケーレと密会を続けた。そして2人がミケーレの部屋で会っているのは、田舎のピサーニまで知ることになった。そして、偽名を使ってホテルでの逢引きもばれたので、二人はパリへ発つ。一方マノエラのいない寂しさからか、ヘロイン、モルヒネ、コカインと麻薬に浸り出したバニャスコは、ある乱痴気パーティーの後、自室でこめかみにピストルを当てるのだった。・・・幕

この邦題は大袈裟過ぎです。ビッグバンドやディキシーがガンガン流れてて、この題名のイメージ、淫靡な雰囲気は全く有りません。そして、悦楽というほどラウラの濡れ場は無いし(脱いでるの3シーンかな)、いい加減二股ラウラに翻弄される従兄2人、そしてラストは主人公が捨てられて自殺するという悲惨さ・・・いやいや、悲惨じゃないですわ。バニャスコは、自分でラウラを断ち切るチャンスは何回も有りましたが、あえてそれをせず深みにはまったのですから。だからラウラを憎むというより、寂しさいっぱいで死んだのでしょう。自業自得です。確かに渋さではマストロヤンニには勝てないから、しょうがないかなっとも思いました。微笑。

1975年 イタリア・フランス映画 THE DIVINE NYMPH、DIVINA CREATURA ★☆
監督:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ
原作:ルチアーノ・ズッコリ
脚本:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ、アルフォ・ヴァルダルニーニ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:C・A・ピクシオ
出演:ラウラ・アントネッリ マノエラ・ロデリギ、二股三股嘘つき、金になるなら何でもこいの悪女。
テレンス・スタンプ ダニエーレ・ディ・バニャスコ、愛称ダニ
マルチェロ・マストロヤンニ ミケーレ・バッラ、ダニの従兄だがマノエラを取りあう。
ミケーレ・プラシード マルティーノ・ギオンデリ、マノエラの婚約者だったが、ダニにとられ結婚は破談した。
ティナ・オーモン パーティーの女、ラストでジャンキーのダニに絡んできます。ティナはラウラよりも色気ムンムン。ラウラと共に中坊の時、好きでした。