第一次世界大戦で負傷したポールが故郷ベルリンに帰って来た。敗戦のショックで混乱するドイツ社会にあって、ヒトラーのファシズムがだんだん頭をもち上げてきていた。エリート軍人になるべく教育されて前線に送られていたポールも、帰ってからはすることもなくぶらぶらと日々を過ごしていた。母ミュッティはサウナで、ヒンダ伯母は家をペンション(下宿屋だね)に改造してたくましく生きている。幼なじみのシリーは、社会主義運動→場末キャバレーの踊子→ハリウッドの人気女優へと変貌していった。ポールの以前の連隊長ヘルマン・クラフトは戦争後遺症から分裂症となり、ポールを自分のファシズムの政治結社に誘うが、その感情の奥にはポールに対するホモ・セクシュアルなものが含まれていた。


なんかプレミア付いてますな。
ヘルマンの誘いに最初は同意しかけたが、結局拒否して街を彷徨するポール。シリーの出ていたキャバレーで飲んでいる時、戦時中の仲間に会う。彼はジゴロたちが集まるバー「エデン」の経営者セマリング男爵夫人に会わせてくれた。そして、その日から「エデン」で働くようになったポールは、金持ちの中年女ヘルガのジゴロになる。そんな頃、シリーが大スターになってハリウッドから帰って来た。彼女は年老いた公爵の妻に迎えられたのだ。我儘なヘルガのおもちゃとして扱われていることに嫌気のさしたポールは彼女のもとを去り、シリーの結婚式に参列する。ポールヘの愛を語りながら、貴族との結婚を選んだ彼女は、またも公園でポールに愛をささやいた。無表情でキスをするポールはシリーと分れた後、夜の街をふらつく。ちょうどファシストの内戦が勃発しており、彼はその流れ弾に当たって死んでしまった。その直後、ヘルマンがポールの遺体を見つけて、宣伝材料としてポールをナチスの党員に仕立て上げて、党葬を行う。ポールは皮肉にも時代の英雄として埋葬されるのだった。・・・幕

第一次世界大戦から第二次世界大戦の前、ヒトラーの登場までの間の激動の1920年代(1921年から1928年までの毎年の冬を描く)のベルリンを舞台に、ジゴロとなって街を彷徨う一人の男の悲運な生涯を描いてます。ジゴロ役としては、全盛期のデビッド・ボウイはスマートで、エレガントで、カッコよくて、冷徹で、正にはまり役でした。オイラ的にこの時代の映画(戦争映画やドラマ)は好きですので、楽しく見れました。そして、大好きなシドニー・ロームの半裸(胸だしダンス)も観れるのも嬉しい驚き。また本編とは別で、驚きがありました。今回、昔撮ったVHSのピコ(パラマウントビデオ)で見たのですが、画面をスタンダードサイズにするのに、シネス͡コの左右をカット、4:3にして字幕を下に付けてあります。しかし、シネスコ用の右側の字幕が、かすかに残ったままという有様でした。昔はこんなんで、よくVHS販売していたのですね、、、笑。(下記写真参照)
justagigolo




1978年 西ドイツ映画 Just a Gigolo ★★★☆
監督:デビッド・ヘミングス
脚本:ジョシュア・シンクレア
撮影:チャーリー・スティンベルガー
衣裳:イングリット・ツォーレ
編曲:ギュンター・コートウィック
出演:デビッド・ボウイ ポール・ブルジゴドスキー。プロイセンの中尉→サウナ勤務→酒のサンドイッチマン→ジゴロと変貌する。
シドニー・ローム シリー、幼馴染でポールを愛してる。女優で社会主義者だったが止めて、女優兼ダンサーとしてハリウッドに進出して成功する。
キム・ノバク ヘルガ、ポールのスポンサー
デビッド・ヘミングス ヘルマン・クラフト大尉、ポールの戦争時代の連隊長、上司。純血主義のドイツ復興を夢見て、最後は自分の政治結社をヒトラーのナチスに参加させる。
マリア・シェル ポールの母・ミュッティ、サウナで働いている。
クルト・ユルゲンス 公爵、シリーと結婚する。
マレーネ・ディートリッヒ セマリング男爵夫人
エリカ・プルハール エヴァ、ポールのペンションの住人、売春婦でポールに気がある。
ヒルデ・ウェイスナー ペンションの管理人、ヒンダ叔母さん