ある日突然、父の家系がダーバヴィル公爵家だとわかった美しい少女テスは、近くに住む金持ちの家ダーバヴィル家に親戚と名乗り、援助を頼みに行かせられる。テスはここのダーバヴィル家の持ち物である農場に奉公に行くことになるが、祭りの夜、女主人の息子アレックに犯され、情婦にされてしまう。テスは4ヶ月でアレックと別れて農場を出て実家に戻るが、アレックとの子供が出来てて産む。しかし、子供は弱くすぐに死んでしまい、テスはまた別の遠い牧場に奉公に行く。その牧場には、牧師の息子だが農場主を目指しているエンジェルという青年がいた。


テスとエンジェルはすぐに恋に落ちるが、テスは自分の過去(情婦&子供)を告白できず、彼との結婚を承諾できない。過去を告白した手紙をドアの下からエンジェルの部屋へ差し込み、何も変化の無いエンジェルを確認して、プロポーズを受け入れる。実はマットの下に入り込んで手紙が全く読まれていなかったことに気づく。結婚式の夜、とうとうテスはエンジェルに告白するが、エンジェルは、どうしてもこんな貞操観念が低い女は駄目だとテスを許せない。テスを実家に帰らせ、自分はブラジルに旅立っていった。テスは故郷に帰るが父親ジョンが死に、小さい子3人を含む一家は家も追い出され、路頭に迷う。かつて自分を情婦にしたアレックがしつこく援助を申し出てきて最初は断るが、家も無いのでは何ともならない。再び情婦として彼の元で暮らし始め、家族にも援助を受ける。時が流れ、テスを許したエンジェルは彼女を迎えに来るが、アレックの情婦となっていたテスは彼を追い返すことしか出来ない。その後、アレックの言葉に激昂したテスはアレックを刺し、エンジェルを追いかけて二人で逃亡する。二人は愛し合いながら各地を彷徨うが、ストーンヘンジのある野原で警察に捕まり、その後テスは処刑された。・・・幕

文豪トーマス・ハーディの名作を、ポランスキーが英国ロマンの薫りふんだんに映像化した大作メロドラマ。超美人なんだけど、自分の美貌の使い方が分からないテス。使い方が分かっても頑固すぎる為、男を利用できないテス。テスは、妥協できない気高い性格の為、処刑されるまで楽な人生では無かったね。でも2回アレックの情婦になっても、心の純粋さは残してました。テンポは普通で、せわしない所は有りませんが、人間関係が多いので、しっかり見なければなりませんでした。

1979年 フランス・イギリス映画 Tess ★★
監督:ロマン・ポランスキー
製作:クロード・ベリ
製作総指揮:ピエール・グルンステイン
原作:トーマス・ハーディ
脚本:ジェラール・ブラッシュ、ロマン・ポランスキー、ジョン・ブラウンジョン
撮影:ギスラン・クロケ、ジェフリー・アンスワース
音楽:フィリップ・サルド
出演:ナスターシャ・キンスキー 手リーザ(テス)・ダービフィールド
ピーター・ファース エンジェル・クレア、農家志望の牧師の息子、テスの夫
リー・ローソン アレック・ダーバヴィル、裕福な家の放蕩息子。本当の名字はストークでダーバヴィル公爵の名前を買った。
ジョン・コリン ジョン・ダービフィールド、テスの父。怠け者。
ローズマリー・マーティン ダービフィールド夫人、テスの母。
リチャード・ピアソン マーロット村の牧師
キャロリン・ピックルズマリアン、テスの乳搾り仲間
デヴィッド・マーカム クレア氏、牧師。エンジェルの父。