18世紀、満州族の清朝が支配する中国。弾圧されている漢民族の志士達は、いつか再興をと願い地下に潜っていた。清朝は刺客としてギロチン使いの盲目の僧・封神(フンシェン)を送り込み、反逆者抹殺を図る。また、片腕ドラゴンと呼び声が高いユーは悪事を働いている、封神の弟子たち、左竜(ゾウロン)と左虎(ゾウフー)を撃破した。怒った封神は自分の家を焼き払い、片腕ドラゴン仇討に出かけた。その時、ユーはカンフー道場を開き、門下生に自身の技を教えていた。ある日、知り合いの鷹爪塾の総長から流派関係なしの武闘大会を開催するから、ご参加願いたいと申し出があった。ユーは熟考の末、清朝を刺激したくないとの事で参加を辞退。その代り、試合を見に行くことにした。・・・


ジミー・ウォング監督、主演の『片腕ドラゴン』(1972年)の続編。この映画、クエンティン・タランティーノが大好きで『キル・ビル』にはこの映画のオマージュが各所に見られます。(GOGO夕張の鎖付きノコギリ鉄球)これはカンフー映画で、時代的にはブルース・リーの後、ジャッキー・チェンの前です。古めかしい、洗練されていない1970年代の香港映画の醍醐味がここには有りますね。(DVDで見たんですがリマスターされていないので、元のノイズがそのままです、笑。)そして何と言っても、空とぶギロチン(血滴子)のユニークな事。赤い帽子みたいな物の内側、外側に沢山の刃がついており、ターゲットの頭に帽子を被せて簾が降りて首を掻っ切ります。これは、おもろい!また、ジミー扮するユーの壁や天井歩き(体に気をためると体重が軽くなるそうです)も最高でした。そして、中盤から鷹爪拳塾の主催で武闘大会が開かれるのですが、ここでの戦いが礼儀も、何もあったものじゃないのも笑えました。隠し剣が飛び出す三度笠の侍(日本人)、突然手が伸びるインド人、砂かけて劣勢を挽回するムエタイの男・・・勝つためにはセコクてもかまわん、勝てば官軍らしいです。それは片腕ドラゴンも一緒、最後に、有利な環境に誘い込んでギロチン和尚を始末してました。

1975年 香港映画 獨臂拳王大戦血滴子、ONE-ARMED BOXER VS. FLYING GUILLOTINE ★★★
監督:ジミー・ウォング
製作:ウォン・チューホン
脚本:ジミー・ウォング
撮影:チュー・ヤウ・ム
武術指導:ラウ・カーリョン、ラウ・カーウィン
出演:ジミー・ウォング 片腕ドラゴンのユー
カム・カン ギロチン使いの盲目の僧・封神(フンシェン)
ドリス・ロン シャオティエン、鷹爪塾の娘。父を封神に殺されて、ユーに協力する。
シャム・チンボー ナイマン
ロン・フェイ 躍馬次郎、日本人の侍