元禄十四年三月、江戸城松の廊下で浅野内匠頭は度重なる侮辱にたえかね、勅使接待役指南の吉良上野介へ刃傷に及んだ。幕府では上野介派の老中柳沢出羽守が目付役多門や老中士屋らの反対を押しきり、上野介はお咎め無し、内匠頭は即日切腹という処分を裁決した。赤穂で、悲報を受けた大石内蔵助は、家中の意見を篭城から殉死へ導き、その後始めて仇討の意図を打ち明けた。内蔵助は順序として浅野家再興の嘆願書を脇坂淡路守に託したが、柳沢出羽守はこれも受けつけぬ。上野介の実子上杉綱憲は家老千坂に上野介の警戒にあたらせ、各方面に間者を放った。内蔵助は赤穂退去の後は京都山科に住んだが、再興嘆願の件で江戸へ下って瑶泉院(浅野内匠頭の妻)を訪れた帰途、吉良方の刺客に襲われた。それを救ったのは目付役多門だった。堀部安兵衛は小人数でも早く仇討をと急進的だったが、内蔵助からさとされ思い止る。・・・

昔、二十歳前のオイラはこれを見て、赤穂浪士に感動しまくり。後にオイラの最初のHNを、蔵の助にした次第です、笑。今回ブログの為にアマゾンプライムで再見。本編は驚きの長丁場、166分。本懐を遂げる為一人一人の赤穂浪士の苦悩、討ち入りを匂わせないように家族にも嘘三昧、離縁、腰抜けとみんなに言われています。でも討入とは言えず我慢するしかない。そんな辛さが詳細に描かれています。
冒頭の吉良上野介のいじめは長めに、そして賄賂役人と言う立ち位置で、悪役フィーリングたっぷりです。ただ浅野内匠頭も吉良の言う事を疑い、毎日ご進物するという事を老中に聞いたのはまずかったですね。これで吉良は完璧に面子を潰され、畳替え、烏帽子・大紋と浅野をはめます。浅野内匠頭は松の廊下で刃傷、即日切腹。その後、赤穂城明け渡しを指示した幕府の思惑には、横行跋扈する武闘派を押さえつける意味もあるよう。でも、赤穂の味方も幕府内にいました。近藤は吉良の住む場所を変えることを計画、更に赤穂の部下にその建物の図面を事前に渡してくれたのでした。これはいかにも「仇討ちに利用してね」ってことですわ。そして大石は京都一力で遊女と遊興三昧、長男以外の母妻子供3人と離縁して周りを欺く。その後、吉良の間者が命を狙います。岡野金右衛門が吉良邸絵図面取得のためお鈴と恋愛するのですが、クソ真面目な彼は中々出来ません。しかし最後はお鈴を嫁と見定め絵図面を手に入れます。吉良邸ではピリピリが頂点に達して、周りを歩く者を、赤穂浪士を見つける為、中に引き入れ摂関しまくりです。討入のクライマックスはラスト8分だけで、物語は浅野内匠頭の菩提参拝、吉良の首を持参しての仇討完了報告へみんなで歩いているシーンで終わりました。ですから、後の赤穂の切腹シーンはありませんでした。

1958年 日本、大映映画 ★★★★
監督:渡辺邦男
脚本:渡辺邦男、八尋不二、民門敏雄、松村正温
撮影:渡辺孝
音楽:斎藤一郎
出演:長谷川一夫 大石内蔵助
市川雷蔵 浅野内匠頭
山本富士子 瑶泉院、浅野内匠頭の妻
中村玉緒 浅野家腰元・みどり
勝新太郎 赤垣源蔵
鶴田浩二 岡野金右衛門、大石の家来、吉良邸絵図面取得のためお鈴と恋愛する。お鈴の父にも見逃してもらった。
若尾文子 大工の娘お鈴、大工は吉良側。
林成年 堀部安兵衛
荒木忍 堀部弥兵衛、安兵衛の父
川崎敬三 勝田新左衛門
志村喬 大竹重兵衛、新左衛門の父
梅若正二 矢頭右衛門七(えもしち)
木暮実千代 浮橋太夫、京都一力の遊女
淡島千景 大石りく、大石の妻
東山千栄子 大石の母おたか
黒川弥太郎 片岡源吾衛門、江戸の浅野家で浅野内匠頭に仕える。配慮が出来る家臣。
黒川弥太郎 目付役・多門伝八郎
根上淳 土屋相模守
二代目中村鴈治郎 垣見五郎兵衛、偽垣見を語る大石の正体を見破るも見逃し、通行手形をくれた。
滝沢修 吉良上野介
船越英二 上杉綱憲、吉良上野介の息子
京マチ子 女間者おるい。大石の住む宿を訪問し14日お茶会と漏らす。その後、赤穂浪士を庇い清水に切り殺される。
小沢栄太郎 家老・千坂兵部、吉良の家来で、女間者おるいの上司。
清水将夫 柳沢出羽守、吉良を贔屓する。
田崎潤 清水一角、吉良の家来、討ち入り時、岡野金右衛門に切られる。