昭和27年、文明社会から隔離され古い因習がいまも力を持つ鬼首村(おにこべむら)。村に伝わる手毬唄、その歌詞に見立てた連続殺人事件が発生。知り合いの磯川警部から23年前の殺人事件を依頼されて、たまたま訪れていた探偵の金田一耕助も事件に巻き込まれた。やがて、事件の背後に村を二分する二大勢力、由良家と仁礼家の存在が浮かび上がってくる。金田一は真犯人を見つけ出すため、失われた手毬唄の秘密を追い始めた。・・・



神戸の活弁士・青池源次郎と、クリスマス飾りのモール作りの内職を仲介する恩田幾三。この二人が同一人物で、ヤリチン男だったために、友達たる村の子供らの父親が一緒になってしまう。その事実を知った歌名雄の母・リカは手毬唄になぞらえて殺戮開始。姻戚関係がぐっちゃぐちゃの横溝ワールドなのは分かりますが、ちょっとパンチ力が弱かったかな?オイラの好みのリカ役・岸恵子が綺麗すぎててねぇ、サイコ犯人としての恐さは出していなかったですね。死にざまは、滝の中の泰子がBeutifulでしたな。ネタバレサイト



1977年 日本映画 ★★
監督:市川崑
原作:横溝正史
脚本:久里子亭
撮影:長谷川清
音楽:村井邦彦
特殊美術:安丸信行
出演:石坂浩二 金田一耕助、東京の私立探偵。磯川警部の呼ばれて鬼首村に来る。
岸恵子 青池リカ、青池源治郎の妻、亀の湯女将。凛とした京女風の美人だが今回の殺人犯。
若山富三郎 岡山県警の磯川警部
仁科明子 別所千恵 春江の娘。有名な歌手で今回村に帰郷したが、実の父親は詐欺師で殺人犯と疑われる恩田幾三で、そのために幼少のころから村内で迫害されてきた。
渡辺美佐子 別所春江 千恵の母。
北公次 青池歌名雄(かなお)、泰子と交際してて結婚を考えているが母リカは猛反対。実は父親が歌名雄、泰子とも同一人物だった。
永島暎子 青池里子、源治郎の娘。心臓が弱く、生まれつきの左半身の赤痣を気にしてあまり人前に出ない。
草笛光子 由良敦子 泰子の母。仁礼嘉平に対抗意識を燃やしている。
高橋洋子 由良泰子、歌名雄の恋人。由良家先代主人の卯太郎と敦子の子と思いきや、実は父は恩田幾三だった。
原ひさ子 由良五百子、泰子の祖母、手毬唄の歌詞を知る数少ない人物。
辰巳柳太郎 仁礼嘉平(にれいかへい)、仁礼家当主。父の事業をさらに広げ、村の「えらもん」として君臨している。青池リカに、自分の娘の文子と歌名雄との縁談を持ちかける。
加藤武 岡山県警の立花捜査主任、「分かった」が口癖の警官。
中村伸郎 多々良放庵、庄屋の末裔だが現在は没落、本名は多々羅一義。妻を8回も取り替えたり、放蕩三昧の人生を送っている。鬼首村の手毬唄を発掘し民俗学の雑誌に投稿する。
大滝秀治 権堂医師
永野裕紀子 仁礼文子、咲枝の子だが嘉平の娘として育つ。歌名雄と交際する泰子に嫉妬している。実は恩田幾三の娘である。