17世紀のハンガリーの村カイセ。吸血鬼の仕業とされる殺人事件が起き、村人達は少年を馬に乗せて吸血鬼のネグラを見つける。そしてナディアの父の棺を暴き、その死体の胸に木杭を打ち込んだ。ある娘は吸血鬼除けのパンを作る為、こっそり血を取りパン粉に混ぜ、灰をかけ十字を切った。この土地の領主カール・ジマール侯爵は、飼っている鷹に鳩を襲わせ、鳩が生きたまま食われていくのを見て微笑みを浮かべるようなサドだ。

Female Butcher 1973 Le vergini cavalcano la morte trailer

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村の宿屋に泊まったジマール侯爵は、美しい宿屋の娘マリーナに目を奪われる。平凡で貧乏な日々を送るマリーナの方も侯爵に心惹かれるものを感じていた。マリーナはナディアの母に諭され深夜、公爵を誘惑しようとしたが首を絞められ怖くなり逃げてしまった。翌朝公爵は何食わぬ顔で城に帰っていった。城では公爵夫人であるエリザベータが、乳母のヌートリーチェと共に鏡を覗き込んで溜息をついていた。美しさに固執するエリザベータは、老いに対して恐怖心を抱いていた。そんな彼女の姿を見て、ヌートリーチェは一族の闇の歴史に葬られた一人の美しい公爵夫人の物語を話し「若さを保つには危険をおかせ」と説いた。エリザベータと同じ名前を持つ彼女は、永遠の美しさを保つために処女を殺し、その生き血風呂に全身を浸して過ごしていたのだ。さて、村では今まさに吸血鬼裁判が開かれようとしていた。吸血鬼と噂されるナディアの父の死体が法廷に持ち込まれ、彼に呪いのメダルを売った老婆や、夫のいかがわしい行いを妻が証言した。最後に娘のナディアが証言台に立ち、父親に血を吸われた首筋の傷跡を見せ、裁判員は彼を吸血鬼と見なす判決を下す。ナディアの父の死体は公衆の面前で首を切られ焼かれ、灰は川に捨てられた。裁判に出席していた侯爵は首にかける者に死をもたらすという呪いのメダルに興味を示し、それを首にかけた。
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城では髪を侍女に梳かさせていたエリザベータが侍女の無礼に逆上して、その顔を鏡で殴ってしまう。侍女の鼻から一筋の血が流れ、エリザベータの手の平に滴り落ちた。取り憑かれたように血痕を眺める彼女は、その部分だけが真っ白に若返っているのを発見する。エリザベータと乳母は魔術を使った儀式に没頭。鳩の生き血を体に塗ってみるが効果はなかった。その姿を屋根裏部屋から目撃した夫の侯爵は目を輝かせ、呪いのメダルを使った恐るべき計画を妻にうち明ける。・・・それは、まず彼が睡眠薬を飲み眠り、それをメダルの呪いで死んだ事にする。そしてエリザベータが城の地下室に埋葬し、侯爵が起きたら棺を開け、助ける。侯爵は処女をさらって来て殺し、妻に生き血を浴びさせてやろう・・・というものだった。サディストの侯爵としても、望みの人生が得られると言う事で大変嬉しい事であり、彼らは今まで仮面夫婦だったのに突然利害が一致。まさに夫婦一体となり一石二鳥の計画を企む。まず標的に選ばれたのは、吸血鬼裁判で父親に血を吸われたと証言したナディア。実は彼女の一家は父親の残した遺産目当てで裁判を起こしており、彼女の首筋にあった傷もペンダントのクサリで傷つけたものだったのだ。
夜更けにナディアの寝室に忍び込んだ侯爵は怯える彼女を連れ去り、屋根裏部屋で首を刺し抜いて殺害、階下の部屋では全裸になったエリザベータが天井の穴から滴り落ちるベットリとした生き血を全身に浴び、恍惚の表情を浮かべているのだった。翌日、侯爵の死に疑いを持たせない為、城の召使い達は全員解雇になるが、その中の一人イリーナは出て行く時、城の庭を歩いていて屋敷の窓に侯爵の姿を見てしまう。街にやって来た乳母に、親切心からその話をしたイリーナは、口封じに現れた侯爵にさらわれてしまい、屋根裏部屋で惨殺されてしまう。エリザベータの生き血浴びはエスカレートし、次々に村の生娘達が失踪していく。さすがに村人の間にも侯爵が吸血鬼として蘇って来たという噂が広がっていった。夫が帰って来ず、不安を感じたエリザベータは、乳母と共に持てるだけの宝石を身につけて城から逃げ出そうとするが、行く手を村人達に阻まれ城に閉じ込められる。村人達は後日、人数を集め城に乱入。侯爵の墓を暴くが、棺の中にあったのは血を抜かれた処女達の死体だった。侯爵は、いつか見た宿屋の娘マリーナに目をつけ、彼女の部屋に現れる。事件の真実を話してくれた侯爵に心を開いたマリーナは彼女の部屋で一夜を共にする。そして誘われるまま城の屋根裏部屋に連れ込まれ、甘い言葉に酔っているところを首を噛み切られてしまう。しかしマリーナは死の淵で自分が殺されることを知っていたと侯爵に告白、侯爵を愛している為にどんな運命でも受け入れる覚悟だったと告げて息絶える。愕然とする侯爵はマリーナの死体を堅く抱きしめる。しかし、その背後で一部始終を見て嫉妬に駆られたエリザベータはナイフで脇腹を突き刺し、侯爵は絶命してしまう。
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その後、エリザベータと乳母ヌートリーチェを裁判にかけられ、ヌートリーチェは、全ては侯爵の仕業だと主張したがエリザベータは自分が生き血風呂に浸かっていたこと、すべての殺人は自分が指示したと侯爵をかばった。裁判の結果、精神に異常をきたしたエリザベータは身分の高さを考慮されて極刑を免れ、その代わり一生を城に閉じこめられて過ごす判決を受ける。だがそれは皮肉にも、自分の美しさがゆっくりと、だが確実に衰えていくのを見せつけられる、彼女にとっては死よりも残酷な判決だった。また乳母ヌートリーチェは偽証罪で舌を切断され死ぬまでエリザベータに仕えるよう命じられる。レンガの壁で囲まれた部屋の中で、美しかったエリザベータの顔は、恐ろしい怪物のように変貌。彼女の顔は死んだミイラのように干からび、鏡の前に座って、その顔を眺め続けるのだった。・・・幕

有名なエリザベータ・バートリー伝説をモチーフにしたホルヘ・グロウ監督作品です。監督はこの2年後、あの「悪魔の墓場」(1974)を発表します。オイラは1987年にマウントライトから発売された日本のVHS(荼毘モン)で鑑賞。音声はイタリア語で、「Le Vergini Cavalcano la Morte」とタイトルの出るマスターです。どうも、世界的にもかなりレアな映像ソースのようです。尺数は102分です。作品の印象は、中世の不気味な雰囲気が充満していて、大変面白かったです。血まみれの公爵夫人の扇情的な裸体、舌を切り落とす不気味な器具が特に見ごたえがありますね。ただし、侯爵役のエスパルタコ・サントーニさん、往年の岡田真澄さんそっくりですね。映画が始まって、一瞬本人が出演しているんかい?と目を疑いましたよ。(笑)また、エヴァ・オーリン嬢も侯爵の気に入る娘役で出演。入浴シーンはありますが、おっぱいは見えず。残念でした。(大笑)

1973年 スペイン・イタリア 102分(スペイン版は88分) Le vergini cavalcano la morte (Italy)、Ceremonia sangrienta (Spain) 、The Legend of Blood Castle (USA、DVD title)、Female Butcher ★★★★☆
監督:Jorge Grau
脚本:Sandro Continenza、Jorge Grau
製作:José María González Sinde
音楽:Carlo Savina
出演:Lucia Bosé ... Erzsebet Bathory
Espartaco Santoni... Karl Ziemmer
Ewa Aulin... Marina Schneider
Ana Farra... Housekeeper
Silvano Tranquilli... Doctor
Lola Gaos... Carmilla
Enrique Vivó... Mayor
María Vico... Maria Plojovitz
Ángel Menéndez... Magistrate
Adolfo Thous... Judge
Ismael García Romen... Captain
Raquel Ortuño... Irina
María Dolores Tovar... Sandra (as Dolores Tovar)
Franca Grey... Nadja
Ghika... Inge