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4月のNY。由緒あるマンションに住む女性詩人ローズ・エリオットは古物店「KAZANIAN ANTIQUES」で入手した古書『THE THREE MOTHERS(三母神)』の内容に魅せられながらも恐怖する。その著者にしてロンドンの建築家E.ヴァレリは3人の「母」からの依頼を受け、ドイツのフライブルグ、イタリアのローマ、そしてアメリカのニューヨークに館を建てたのだが、のちに其の「母」たちの正体が魔女であることに気付いたと云うのである。更に、ヴァレリは「母」たちの秘密のヒントとなる3つのキーも記していた。そして、ローズはそのうちの2つから自分が住んでいるマンションこそがNYに棲む魔女「暗黒の母」の館なのではないかと疑い始め、その事を書いた手紙をローマ在住の弟マークに送る。

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同じ月のローマ。大学で音楽を専攻しているマークは授業中に姉からの手紙を読もうとする。しかし、自分をじっと見つめる女学生の存在が気になって集中することが出来ない。そして、その女を追い、なんとその手紙を置いたまま退室してしまった。それに気付いた同級生のサラは、好奇心から文面を読んでしまう。こうして「母」たちの存在を知ったサラは図書館で問題の書『THE THREE MOTHERS』を入手した上でマークに手紙の件を電話するのだが、秘密に近付きすぎた彼女は間もなく惨殺されてしまう。異常な事件に巻き込まれたマークは姉の身を心配してNYに飛ぶのだが、当のローズは既に姿を消していた。・・・



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魔女3母神の物語でサスペリアの続編に位置します。ニューヨークの建物に住むメイター・テネブラルム(暗黒の母)、ドイツに住むメイター・サスピリオルム(溜息の母)、ローマに住むメイター・ラクリマルム(涙の母)、災いをもたらす3人の母たち。3人合わせて死神という別名も有ります。ガラスでギロチン、背中、脊椎ナイフ攻撃、目玉半分飛び出し、鼠に食われる、とアルジェントらしくいろいろなパターンで死にます。でも殺人シーンの調和されていないピアノが前衛音楽っぽく、俺的にイマイチ乗り切れませんでした。テーマ音楽はロック調で良いのですが、効果音がこれでは、恐怖感が盛り上がりません。残念。音楽はEL&Pのキースエマーソンなのにねぇ。あと他の掲示板で教えてもらったんですが、意味深な一貫した数字。NYはローザが手紙を出す冒頭のシーンに49番地、ローマではサラがタクシーの運転手に「バニ街49番地へ行って」と言っています。他にはローザとサラの部屋はNYとローマと場所は違えど2人共4階エレベーターを降りて左の部屋でした。4という数字に何か意味があるのでしょうか?まさか日本で言う「し、死」じゃないよね。(笑)また謎続きでいけば、ネズミの襲われている足の悪いカザニアンを包丁で殺すホットドッグ屋の親父・・・なぜ殺すの?沈められた猫の怨念?皆既月食が狂気を引き起こすの??はたまた母神が憑依したのか???親父は初めから魔女の手先????全然意味不明なんです。まあっいいか、ダリオらしい、イタリアンっぽいと割り切りましょう。最後にNYのG・グラディエフ館(暗黒の母の館)の管理人のおばはん・キャロルはサスペリアの鬼バレエ教師。魔女の手先なんですが、火だるまになり転落。あっさり裏切られましたな。あの怖い、いかつい顔は相変わらず強烈な印象でっス。

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赤と青の原色映像・・・くどい位に色ついてますな。
サスぺリアの続編を思いっきり意識して作ってあります。

1980年 アメリカ・イタリア INFERNO
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
撮影:ロマノ・アルバーニ
音楽:キース・エマーソン
出演:リー・マクロスキー マーク・エリオット、ローズの弟
アイリーン・ミラクル ローズ・エリオット、女性詩人、秘密に近づき過ぎ、釘に頭を刺され、ガラスのギロチンでOUT。
アリダ・ヴァリ キャロル、G・グラディエフ館の管理人、魔女の手先と思われるが、火のついたカーテンに包まれ転落死。その火が原因で館は燃えつきる。
サッシャ・ピトエフ カザニアン、古物商、G・グラディエフ館の猫を拉致して川に沈め殺した後、ホットドッグ屋に助けを求めたが包丁で喉を切り裂かれる。そして鼠の餌となる。
エレオノラ・ジョルジ サラ、ローマの自宅でカルロを殺したナイフで背中を突き殺される。
ヴェロニカ・ラザール アーノルド教授=ヴァレリの看護婦兼付き人だが、実は暗黒の母でした。
ダリア・ニコロディ エリース、伯爵夫人で亭主は留守がち。ローズの友達でG・グラディエフ館に住む。ローズから秘密を聞いており裏階段でマークが捕まる所を目撃。最上階まで導かれ猫の襲撃。そしてナイフで殺される。
ガブリエ―レ・ラヴィア カルロ、サラにエレベータで出会い、怖いと言われサラの部屋に行く。電気が消えヒューズボックスを見ている時、首にナイフを刺され絶命する。完全にとばっちりの死ですな。
フェオドール・シャリアピンJr アーノルド教授であり、実は建築家E.ヴァレリ。喉に拡声器をつけないとしゃべれない。館の設計者で魔女の手先でした。
レオポルド・マステローニ ジョン、伯爵夫人エリースの執事だがキャロルと共謀してエリーゼ宅から宝石を盗む。最後は目玉をくり貫かれ死亡。こいつ、、なんで殺されるの?手下でもない。何も知らないのにねぇ。
アニア・ピエロー二 音大の学生、魔女の手先、ローマでマークを監視している。
ジェームズ・フリートウッド 川のほとりのホットドッグ屋のコック
パオロ・パオローニ 音大の先生