この映画では、二つの物語が同時進行で語られる。一つ目の物語の舞台は1958年から1959年で(一部に1941年の回想)、前作『ゴッドファーザー』に続くマイケル・コルレオーネの姿が描かれる。もう一方の物語は1901年から1925年までの、マイケルの父ヴィトー・コルレオーネの在りし日の姿を描く。幼い頃にニューヨークに渡りコルレオーネ・ファミリーを築いていくヴィトーの物語が、現在のファミリーを守るために戦うマイケルの物語と交錯(クロスカッティング)する。

マイケルのパート
1958年。父ヴィトーの跡目を継ぎ、ニューヨーク五大ファミリーのドンたちの暗殺によって裏社会での強力な権力を得たマイケル・コルレオーネは、ネバダ州に本拠を移していた。タホ湖の湖岸にある邸宅では、息子アンソニーの初聖体式を祝う盛大なパーティーが開かれており、組織の古参幹部ピーター・クレメンザ亡き後に、彼のニューヨーク(NY)の縄張りを継承したフランク・ペンタンジェリも来ている。フランクはNYの縄張りを巡って同じくクレメンザからその一部を譲り受けたと主張するロサト兄弟と対立しており、その解決をマイケルに頼む。しかし、ロサト兄弟の後見にはユダヤ系マフィアの大物でヴィトーの盟友であったハイマン・ロスがおり、事を荒立てたくないマイケルは我慢するように言う。その晩、マイケルは妻のケイと共に自宅の寝室で就寝中のところを、窓の外から激しい銃撃を受ける。
犯人の正体はわからないが、身近な者が関わっていること、またNYの件と関係があると見たマイケルは、本拠を義兄で組織の弁護士であるトム・ヘイゲンに任せ、マイアミにいるロスの邸宅に赴く。マイケルは父の代から続くファミリーとロスとの長年の協力関係を強調した上で、自分を襲撃させた犯人はフランクだと告げ、彼を粛清することで合意する。次にその足でNYのブルックリンに赴いたマイケルはフランクと会見し、事件の黒幕はロスだとわかっていると告げた上で、彼を油断させるためにロサト兄弟と会談して欲しいと依頼する。マイケルの希望に従い、フランクはロサト兄弟との会談場所に赴くが、兄弟に裏切られてガロットで首を絞められる。争いの音を聞いて現場に駆けつけた警察によってフランクは助かるが、自分はマイケルに裏切られたと捉える(ここで表向きはフランクの生死は不明となる)。
1958年末、マイケルはロスの誕生日パーティーが開かれるキューバのハバナへ向かい、多くの者たちと共にロスと会見する。その頃キューバではアメリカの支援を受けるバティスタ政権とカストロ率いる反政府ゲリラによる紛争が起きており、マフィア達は反政府ゲリラが勝ち、キューバ利権が失われることを危惧していた。遅れてマイケルの兄フレドがハバナへと到着し、マイケルはフレドに自分を殺そうとしているのはロスで、間もなく暗殺することを伝える。マイケルとロスは改めて会見し、マイケルはフランクを襲撃したのは誰か問い詰めるが、ロスは動じることもなく、逆に自身が目をかけていたモー・グリーンを殺し、その利権を奪い去ったマイケルを非難する。また、マイケルはフレドの失言によって、彼がロスの内通者だったと知り、激怒する。
マイケルは手下にロスとその側近ジョニー・オラの暗殺を命じ、オラは殺されたがロスは発作を起こして病院に運ばれ、辛くも暗殺の手を逃れる。また、マイケルはフレドに裏切りに気づいたことを告げる。さらに1959年の新年パーティーの最中、政府高官が反政府ゲリラが政府軍に勝利したことを出席者達に知らせ、一転して場はパニックに陥る。マイケルも他の多くの客と同様にハバナから離脱しようとするが、同行することを拒否したフレドは一人で逃走する。タホ湖の邸宅に戻ってきたマイケルはトムから報告を受け、ロスはキューバを脱してマイアミで静養中であること、フレドはおそらくNYに潜伏していることを伝える。さらにケイが流産したことを教えられ、マイケルはショックを受ける。
※あらすじはウィキから引用。

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ロスの差し金により、連邦議会上院で組織犯罪に対する特別委員会が開かれることとなり、表向きは実業家となっているマイケルが告発される。委員会側ではマイケルに裏切られたと勘違いし、組織の内幕をよく知るフランクが告発の証人になろうとしていた。マイケルは公聴会にて五大ファミリー暗殺などの厳しい質疑を受け窮地に立たされるも、トムと相談し、弱みを握るギアリー上院議員の反対演説などで巻き返していく。そしてフランクが証言する当日、マイケルは彼の兄をシチリアから呼び寄せ、人質にしていることを暗黙に示し、土壇場でフランクは証言することを拒否する。
一方、マイケルはケイから子供を連れて出て行くと伝えられる。突然の出来事に驚き狼狽するマイケルに対し、ケイはもはや裏社会のドンとして非情な手段でのし上がるマイケルについていけなくなったこと、さらに流産の真相が堕胎であったことも明かす。激怒したマイケルはケイを殴りつけ、子供は渡さないと言い放つ。結局、マイケルは子供たちの親権は自分に残したままケイと離婚し、彼女を冷たく家から追い出す。
家族のために行動しているのに、次々と家族を失っていく事態にマイケルは母に、父はなぜ家族を守れたのかと問う。その母も間もなくして亡くなり、その葬儀には疎遠になっていた妹コニーやフレドも参席する。コニーと和解したマイケルは、彼女の願いでフレドの帰参も許す。そして互いに抱き合うが、マイケルはフレドの頬にキスをしながら、あらかじめ「母が生きているうちはフレドは無事だ」と言い含めていた腹心のアル・ネリに意味深長な目線を投げる(死の口づけ)。
窮地を脱したマイケルは、今回の出来事についてすべて精算することをトムに告げる。まずトムは、連邦政府に保護され刑務所で特別待遇を受けるフランクの面会に行き、残された家族を守るためには古代ローマの習慣にならって自殺することが最善だと仄めかす。その言に従いフランクは浴槽で手首を切り自殺する。次にイスラエルへの亡命を企てるも失敗しアメリカに戻ってきたロスは、空港にて記者に変装したロッコに射殺されるが、ロッコはその場で射殺される。最後に、アル・ネリと共にボートで湖に出ていたフレドは、釣りの前の祈りの最中に彼に射殺される。湖畔に響く銃声を聞くマイケルは、一人、1941年の父の誕生日に兄弟たちが集まった時のことを思い浮かべる。真珠湾攻撃によって日本との戦争が始まり、マイケルは兄弟に海兵隊に志願したことを打ち明け、長兄ソニーが反対する中、フレドだけはその選択を支持する。
外敵を排除して抗争に勝利するも、家族の大半を失ったマイケルが庭で虚ろな表情を浮かべるシーンで映画は終わる。

ヴィトーのパート
1901年、シチリア島コルレオーネ村。まだ9歳の少年ヴィトーは、父アントニオが地元マフィアのボスであるドン・チッチオに殺され、さらに報復としてチッチオの命を狙った兄パオロも返り討ちに遭い殺される。掟に従い今度はヴィトーの命が狙われるがチッチオの下に助命嘆願に向かった母が身代わりとなって死に、ヴィトーは村の者たちの手を借りて一人でアメリカへ向かう移民船に乗る。その後、ニューヨーク港で入国管理官に名前を尋ねられるも英語がわからないヴィトーは押し黙ってしまう。管理官はヴィトーが持っていた名札を誤読し、出身地名を名字に読み替え、ヴィトー・コルレオーネと名簿に登録する。
1917年。成長したヴィトーは結婚し、長男ソニーにも恵まれる。ヴィトーは友人ジェンコ・アッバンダンドの家が経営するリトルイタリーの個人食品雑貨店で堅実に働いていたが、地元で怖がられるギャングのファヌッチの横槍で職を奪われてしまう。家族を養わなければならないヴィトーは、隣人でこそ泥のピーター・クレメンザに誘われて裕福なアパートから赤い絨毯を盗み出す空き巣の手伝いを行い、これが生涯で最初の犯罪となる。
1919年、ヴィトーは次男フレドに恵れる中で、さらに仲間にテシオを加え、窃盗でそれなりに上手く金を稼ぎ、生活できるようになっていた。この成功を聞きつけたファヌッチが高額のみかじめ料を要求してくる。怒る仲間を制し、ヴィトーは自分に任せるように言う。リトルイタリーの祭りの日、ヴィトーはファヌッチを暗殺する。そのまま、家に帰ってきたヴィトーは生まれたばかりのマイケルを優しく抱き上げる。
地元住民達から鼻つまみ者のファヌッチをヴィトーが殺したことは公然の秘密となっており、ヴィトーは周りの者たちから尊敬を得るようになっていた。街の相談役として頼まれてトラブルの調停などを行うようになり、確かな交渉の腕を持つ上に、公正で弱者に優しいヴィトーはますます声望を高め、クレメンザやテシオも、ヴィトーを自分たちのドンと認める。また、旧友ジェンコと組んで、シチリアからのオリーブオイル輸入事業を行う「ジェンコ貿易会社」を立ち上げる(これは生涯にわたってヴィトーの表向きの商売・肩書きとなる)。
1925年、アメリカで成功を収めたヴィトーは家族を連れ、故郷のシチリア島コルレオーネ村へ帰省する。オリーブオイル事業のシチリア島での協力者でもあったドン・トマシーノと協力し、ヴィトーはドン・チッチオの邸宅を訪ねる。かつての少年とは知らず、単なるアメリカのイタリア系実業家との会見と認識する老いたチッチオであったが、ヴィトーは本名を名乗ると彼を斬殺し復讐を果たす。ヴィトーと家族達は、チッチオの手下に脚を撃たれたため車椅子に乗ったトマシーノらに見送られながらコルレオーネ村を離れてアメリカへ戻る。

亡き父のあとを継ぎドンとなったマイケルの苦悩と復讐と、父ビトーの少年時代から一大ファミリーを築くまでのエピソードを交互に描いた「ゴッドファーザー」の第2作目。比重的には、マイケルの方に重きを置いててマイケルの裏の仕事が明るみに出て、それでも彼は否定し続けて公聴会に臨みます。そのシーンが暗殺シーンよりもスリリングでした。仲間に裏切りを重ねられ、マイケルはそいつらを始末し続けて最後に残ったのはトムとコニーだけ。ラストの疲れ切ったマイケルの顔が印象的な作品でした。オイラ的には、1には遠く及ばずイマイチな作風でした。

1974年 アメリカ The Godfather Part II
監督:フランシス・フォード・コッポラ
製作:フランシス・フォード・コッポラ、グレイ・フレデリクソン、フレッド・ルース
原作:マリオ・プーゾ
脚本:フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ
撮影:ゴードン・ウィリス
音楽:カーマイン・コッポラ、ニーノ・ロータ
出演:アル・パチーノ ドン・マイケル・コルレオーネ
ロバート・デュヴァル トム・ヘイゲン
ダイアン・キートン ケイ・アダムス・コルレオーネ
ジョン・カザール フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ
タリア・シャイア コニー・コルレオーネ・リッジ
リー・ストラスバーグ ハイマン・ロス
マイケル・V・ガッツォ フランク・ペンタンジェリ
マリアンナ・ヒル フレドの妻
アメリゴ・トッド ミオ、マイケルが雇った黒づくめのボディガード兼殺し屋。
リチャード・ブライト アル・ネリ、元警官であり、マイケル直属のボディガード兼殺し屋。フレドをタホ湖の船上で粛清する。
G・D・スプラドリン パット・ギアリー議員、ネバダ州出身の上院議員。
リー・ストラスバーグ ハイマン・ロス
ドミニク・キアネーゼ ジョニー・オーラ、ロスの部下でフレドから情報を貰いマイケル宅を襲撃する。ハバナで、ミオに始末される。
ロバート・デ・ニーロ 若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネ
ジュゼッペ・シラート ドン・チッチオ
ガストーネ・モスキン ドン・ファヌッチ
ジェームズ・カーン サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ
エイブ・ヴィゴダ サル・テッシオ
ジャンニ・ルッソ カルロ・リッジ