1852年、豊臣政権下。世は火種を残しつつも、一時の平和を謳歌していた。そこに彗星のように現れた天下の大泥棒・石川五右衛門。超人的な身体能力を武器に、金持ちから盗み、貧しき者に分け与える彼を民衆は義賊ともてはやし、熱狂していた。そんなある夜、紀伊国屋邸に盗みに入った五右衛門は南蛮製の箱を手に入れる。ただの空箱だと思った五右衛門はその場で投げ捨ててしまうが、その箱こそ信長暗殺の真相につながる禁断の箱だったのだ。・・・

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安土桃山時代の史実を捻じ曲げて、陰謀説を強化、脚色した奇想天外な歴史ロマン大作です。石川五右衛門が信長の忍(服部半蔵の弟子)で、豊臣秀吉が明智光秀と結託して織田信長を本能寺で殺害、そして秀吉は明智を裏切り殺して天下をとったという設定です。秀吉のイメージは悪そのもので統一されています。ストーリーは大変面白く見ごたえ満点なんですが、CG使い過ぎですな。五右衛門と敵とのバトルなんかピョンピョン飛びすぎで現実感ゼロ。そして、城や鎧(×、西洋の甲冑)、装備品の造型も日本じゃなく、まるで、トルコのようで目が点になりました。(笑)質実剛健どころか派手さギンギン。着物なんか誰も着てなくて武士の恰好は、バテレン、南蛮風ばかりなんですな。奇をてらった城や衣装は面白いのでOKですが、飛びまわりのバトルはもう少し減らして肉弾戦も取り入れた方が良かったと思いました。

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2009年 日本 松竹=ワーナー配給 ★★☆
監督、原案:紀里谷和明、CASSHERNの監督さん
プロデューサー:一瀬隆重、紀里谷和明
脚本:紀里谷和明、瀧田哲郎
音楽:松本晃彦
主題歌:VIOLET UK 「ROSA」
出演: 江口洋介(石川五右衛門)
大沢たかお(霧隠才蔵、石田三成の忍、五右衛門の忍仲間)
広末涼子(浅井茶)
ゴリ(猿飛佐助、五右衛門の部下)
要潤(石田三成)
中村橋之助(織田信長)
寺島進(服部半蔵、織田から徳川の忍になる。)
平幹二朗(千利休)
伊武雅刀(徳川家康、配役ぴったり、悠々とした表情が家康のイメージでした。)
奥田瑛二(豊臣秀吉)
チェ・ホンマン(我王、秀吉の兵)
佐藤江梨子(吉野太夫)
戸田恵梨香(夕霧太夫)
深澤嵐(小平太)
鶴田真由(小平太の母)
りょう(五右衛門の母)
藤澤恵麻(才蔵の妻・お吉)