人類が宇宙に進出した近未来、木星の衛星イオにはチタン鉱石採掘のための採掘基地が建設され、数千人の労働者が働いていた。警察業務のため採掘基地へ派遣された保安官のオニールは、労働者が次々と不可解な死を遂げているのを知る。不審に思ったオニールが調査すると、死亡した労働者は皆強力な麻薬を乱用しており、その麻薬は生産能力を上げるため労働者を雇っている採掘会社から密かに受け取ったものだったのだ。麻薬まで使い生産能力を上げようとする採掘会社に単独立ち向かおうとするオニールだが、すでにオニールの元には会社に雇われた殺し屋の手が迫りつつあった。・・・

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木星の月イオで麻薬の陰謀を調べる新任の保安官オニール。途中までは、場面設定が宇宙であっても基地内の話ばかりですから普通のサスペンスものと変わりません。ラストの殺し屋VSオニールの戦いは宇宙ならではの志向になってましたが。アクション的な派手さが少ない分、ジリジリ感だけで引っ張っていますので、少しかったるかったです。刺激不足の普通の作品ですな。
以下、トリビア。
劇中、宇宙の真空空間に宇宙服を着用せずに放り出された人間は体が破裂し悲惨な死を遂げているが、この当時は急激な気圧低下=血液の沸騰によって身体が破裂するというのが科学的な見解であった。今日では血液が沸騰する際の気化熱でむしろ身体が急激に凍り付くというのが定説となっており、『3001年終局への旅』や『ミッション・トゥ・マーズ』に反映された。

1981年 アメリカ OUTLAND ★★
監督、脚本:Peter Hyams
音楽:Jerry Goldsmith
出演:Sean Connery ... O'Niel
Peter Boyle ... Sheppard
Frances Sternhagen ... Lazarus
James Sikking ... Montone (as James B. Sikking)
Kika Markham ... Carol、オニールの妻
Clarke Peters ... Ballard
Steven Berkoff ... Sagan
John Ratzenberger ... Tarlow
Nicholas Barnes ... Paul O'Niel、オニールの息子