1985年、ゴジラ襲撃から一夜明けた西新宿では、自衛隊が廃墟内の残留放射能を検査する一方、ゴジラの体の破片を回収する作業が行なわれていた。その最中、米国企業共同体バイオメジャーもG細胞の採取に成功、自衛隊に発見され銃撃戦となる。辛くも逃げ切った彼らだが、サラジア共和国のエージェントSSS9によって全員射殺されG細胞も彼の手に渡る。サラジアに運ばれたG細胞は、白神博士の研究室で小麦などの作物と融合させ、砂漠でも育つ植物を生む実験に使用されていた。しかし、G細胞争奪戦に敗れたバイオメジャーの報復で研究室は爆破され、白神博士はG細胞と共に最愛の娘・英理加を失う。



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それから5年後、三原山内において再び活動を開始したゴジラに備え、国土庁はゴジラの体内の核物質を食べるバクテリアを利用した抗核エネルギーバクテリア (ANEB) の必要性を強く認識したが、科学者の桐島は、それが核兵器を無力化する兵器にもなり、世界の均衡を崩す引き金になるのではという危惧を抱いていた。しかし、日に日に活動を活発化させるゴジラに対抗し得るものとして、自衛隊の黒木特佐はその開発のために白神博士の協力を仰ぐ。一度は断った博士だが、G細胞を1週間貸与するのを条件に抗核エネルギーバクテリアを開発する事を承諾する。数日後、芦ノ湖に巨大な薔薇の様な姿の怪獣が現れる。それは白神博士が娘の遺伝子を融合させた薔薇の命を救うために組み込んだG細胞の影響によって急激な成長を遂げた怪獣ビオランテであった。同じ頃、バイオメジャーによる、ANEBの引渡しを求める脅迫文が首相官邸に届く。応じぬ場合は三原山を爆破させゴジラを復活させるというその内容に、桐島と自衛官の権藤は引渡しに応じるが、SSS9の妨害によりANEBは奪われ、さらに爆破された三原山からはゴジラが姿を現してしまう。ゴジラは浦賀水道で護衛艦やスーパーX2と交戦し、これを撃退。続いて小田原へ上陸し、芦ノ湖でビオランテと相見える。ビオランテの様々な攻撃に苦しむゴジラだったが、放射能火炎によってビオランテを倒し、駿河湾へ消える。対G作戦の指揮を任された黒木特佐は、その後ゴジラがエネルギー補給のために若狭湾の原発群へ向かうと予想。最短経路の名古屋を通るとして伊勢湾に戦力を集結させるが、予想に反してゴジラは紀伊水道に現れる。裏をかかれた黒木特佐はスーパーX2のみを大阪に、残りの戦力を若狭湾へ向かわせてゴジラを迎え撃つ作戦へ変更する。一方、桐島と権藤はSSS9のアジトが大阪にあることを知り、ANEB奪回に向かう。刻一刻とゴジラの上陸が迫る中、奪回に成功した権藤はそのままANEBをゴジラに撃ち込む準備へと入った。そしてゴジラはついに大阪に上陸する。・・・

ゴジラシリーズの第17作で単なる怪獣映画で終わっていない本作。前半は人間の権力闘争、利権への欲望が強調されていました。そして後半はゴジラ対自衛隊の戦い、そしてビオランテとの怪獣バトルと続くのですが、ここも自衛隊の戦い(スーパーX2によるゴジラの放射能熱線を反射して対抗できるシステム、人工落雷攻撃、効核エネルギーバクテリア攻撃)がスリリングに展開されており、怪獣バトルはつけたしって感じでした。ラストの進化したビオランテよりバラの花びらをつけた初めのビオランテの方が、目新しくて良いなと思ったのはオイラだけかな?

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1989年 日本 GODZILLA VS. BIOLLANTE ★★★☆
監督、脚本:大森一樹
音楽: すぎやまこういち
テーマ曲: 伊福部昭
出演:三田村邦彦(桐島一人)
田中好子(大河内明日香)
高嶋政伸(黒木翔、自衛隊特佐)
峰岸徹(権藤吾郎、G対策センター一佐)
高橋幸治(白神源壱朗、遺伝工学博士)
小高恵美(三枝未希)
金田龍之介(大河内誠剛)
中田博久(小山実、防衛庁長官)
上田耕一(山地、統幕議長)
佐々木勝彦(竹田、自衛隊員)
鈴木京香(スーパーX2オペレーター)
デーモン小暮閣下(デーモン小暮)
沢口靖子(白神英理加)