ニューイングランドの人里離れた寂しい地区に、大きな館がぽつんと立っていた。人々は「丘の家」と呼んでいるが誰も住みつかないほどの死の噂がある幽霊屋敷だった。持ち主の寡婦サンダーソン夫人も館に住む気持ちなど全くなかった。ある日、人類学教授ジョン・マークウェイ博士は奇怪な幽霊屋敷こそ、超常現象実験の格好の場所と考え、屋敷を借りた。博士はこの実験のため、10歳の時石が家に降って来たという不思議な経験を持つエレナーと、ESPという超感覚に優れたセオドーラの女性2人を助手として選んだ。あとサナーソン夫人の甥ルークも実験に参加しに来た。
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4人のグループがこの建物で顔を合わせた最初の夜、女たちをドスンドスンという怪音が脅かす。だがエレナーはその恐怖の中にも拒むことのできない魅力に捉われていた。その後もエレナーが人の声を聞いたり、不気味な事が続いた。神経過敏になっていくエレナーを支えたのが博士。エレナーは、いつしか博士に好意を抱くようになっていた。そんな時、博士の妻グレースが突然やって来る。グレースは、その夜この家の霊の巣食う所と目される保育室に1人で寝た。そして異様な胸騒ぎにエレナーが駆けつけると、夫人の姿が消え大騒ぎになった。博士をはじめエレナー、セオドーラ、ルークたちは館から庭と夫人を探し回ったが行方は分からない。エレナーは何かにとりつかれた様に、我を忘れて図書室のらせん階段を上る。留め金が外れそうで大変危険な階段だ。そして博士が決死の覚悟でエレナーを助けた時、エレナーははね上げ扉から顔を出したグレースを見て気絶した。この家に巣食う霊はエレナーにいよいよ迫ってきたのだ。危険を感じた博士はエレナーをここから出す事を決定。が、エレナーには家は無かった。母の死後、姉の家から車を盗んで飛び出してきたから帰る家が無いのだ。博士に無理矢理車に乗せられた彼女は一人で突っ走る。そしてハンドルが突然効かなくなり、前方に彼女は一瞬グレースの姿を見た。急ブレーキ、車は木に激突し横転。エレナーは死んだ。エレナーは死んで館に残り幸せなのか?霊がエレナーを犠牲にしたのか?謎は解けることなく終わった。・・・幕

日本題TATARIのオリジナルではありません。これはホーンティングのオリジナルです。このオリジナルもリメイクも大筋は一緒です。(オチの設定は若干違います。)技術的に幽霊の表現が出来ず、声や音に頼って恐怖演出するしかありません。そんな中、ドアを呼吸しているように動かすのは(家が生きているという表現ですな)大変だったでしょう。ですから幽霊屋敷の話でも主人公のエレナー(リメイクではエレノア)の心理変化が一番の見所になっています。カテゴライズすれば、ホラーというよりスリラーですね。

1963年 アメリカ・イギリス The Haunting ★★☆
監督:Robert Wise
原作:Shirley Jackson
脚本:Nelson Gidding
音楽:Humphrey Searle
出演:Julie Harris ... Eleanor 'Nell' Lance
Claire Bloom ... Theodora 'Theo'
Richard Johnson ... Dr. John Markway、サンゲリアのおっさん出ています。
Russ Tamblyn ... Luke Sanderson
Fay Compton ... Mrs. Sanderson
Lois Maxwell ... Grace Markway