ジャンボに乗ってピーター・クライストがオーストリアに降り立つ。彼は自分のルーツを探しに、先祖であるクライスト城を訪れに来たのだ。ご先祖様は300年前、処刑男爵と呼ばれ村人を拷問して串刺しにして城の塔に飾っていた。そしてある日、魔女を火あぶりにしたことから死んでもとけない呪いをかけられたのだった。空港には伯父のカール・フンメル博士が迎えに来ており2人は早速クライスト城に向かう。そこで、ピーターは城の保存担当のエバと出会う。その夜、カールの家で食事をしたピーターとエバは、ピーターが持ってきた処刑男爵を蘇らせる呪文をテストしたくなり城へ向かった。それが惨劇の始まりとなることも知らずに。・・・

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処刑男爵 amazon
baron blood 1972 trailer
 
オカルト(串刺し男爵、魔女、呪い、超能力者)のゴシックムードと主人公ピーター&エバの殺人犯探しが、ごっちゃになっている作品。バーヴァらしい色彩も随所にあるけど、どっちつかずっていう印象も残りました。殺人犯の推理場面なんかすっ飛ばして、オカルトで押しまくった方が良かった気がします。まあ、ラストで処刑男爵に殺された死者が魔女のペンダントの力で起き上がり(要するにゾンビ)、殺すってオチはオカルトで落としたから、まだ良しとしますがね。特殊メイクはイマイチの出来かな。フリッツの血まみれ顔よりも、処刑男爵の焼け爛れた顔よりも、超能力者クリスチーナの顔の方が鬼気迫り恐かったです。クリスチーナに魔女エリザベスが憑依している雰囲気は十分出ていました。ニコレッタ・エルミのそばかす顔も可愛くもあり無表情の時は不気味でもありました。オークションで購入した城の持ち主アルフレッド・ベッカーに会うなり「あいつは亡霊だよ」って見破るんですから。子供の心には大人が見えないモノが見えるんですなぁ。

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1972年 イタリア・西ドイツ Baron Blood、Gli orrori del castello di Norimberga ★★☆
監督、撮影:Mario Bava
脚本、原案:Vincent Fotre
製作総指揮:Samuel Z. Arkoff
製作:Alfredo Leone
音楽:Les Baxter(US version)、Stelvio Cipriani
出演:Joseph Cotten ... Baron Otto von Kleist / Alfred Becker
Antonio Cantafora ... Peter Kleist、博士号を取得中の青年ピーター
Elke Sommer ... Eva Arnold、ダルトムントの部下であり固有記念物保存担当者
Massimo Girotti ... Dr. Karl Hummel、ピーターの伯父さん
Rada Rassimov ... Christina Hoffmann、超能力者
Umberto Raho ... Inspector (as Humi Raho)
Luciano Pigozzi ... Fritz (as Alan Collins)、城の管理人 、アイアンメイデンで死亡。
Dieter Tressler ... Mayor Dortmundt、城の改修責任者ダルトムント、首の骨を折られて吊るされる。
Gustavo De Nardo ... Dr. Werner Hessler、ヘッセラー医師、処刑男爵の手当てをして殺される。最初の犠牲者。
Nicoletta Elmi ... Gretchen Hummel、カールの娘
Helena Ronee ... Elisabeth Hölle、魔女エリザベス・ホール
Valeria Sabel ... Martha Hummel、カールの妻でありグレッチェンの母