アメリカのワイオミング州イエローストーン国定公園。森林監視官のボブがミラノに住む双子の妹ジェシカの危機を察知する。ハサミや血の映像をテレパシーで捉えたボブは急遽ミラノに飛ぶが、ジェシカは滞在先のスカラホテルに不在で行方不明。いろいろ調べると4回も仕事のドタキャンでモデル契約も破棄されていた。やがて、同じホテルに滞在するモデル、カリー、マルゴが次々に殺害される中、警察との二人三脚でジェシカの捜索に乗り出していたボブは、殺害された被害者たちとジェシカの意外な接点に突き当たる。・・・
 
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ハサミで殺害する黒手袋の犯人・・・ジャーロ映画の典型ですな。じっくり見ていると、怪しい奴が宝石商ジョルジョ→行方不明のジェシカと思えてきます。そこでボブの直感が働き、一気に犯人のマンションへ。なんと犯人はバルバラ。ジェシカとバルバラはレズビアンの恋人だったのです。動機はジェシカに別れ話を切り出された事による恋愛感情のもつれ。ラストは、ボブをドリルで殺そうとするバルバラでしたが警察に踏み込まれ覚悟を決め、ジェシカの遺体と共に飛び降り自殺で幕。このラストはダリオ・アルジェントの四匹の蝿と同じスローモーション撮影でした。脚本家にフェノミナ、デモンズ、オペラ座/血の喝采のフランコ・フェリーニが名を連ねている影響ですかね。キャスト的には、ファッション業界の話の為、美人が大挙出ているのは嬉しいっす。ジェシカ役のニコラ・ペリングはショートカットが似合うアニー・ベルのよう。「ドレスの下はからっぽ」と云う邦題はマネキンのような意思なき立ち振る舞いを要求されるモデルを象徴する言葉です。劇中でもカメラマンのケノ・マザユキ(このカメラマンは日本人なんでしょうが変な名前。間違えて発音してるんじゃないのかな)が、ドレスの下はからっぽじゃないとモデルは出来ないと言っていました。最後に作品としてのテンポは良いけどスプラッター・シーンは少ないので、それを期待してはいけません。まあ、普通の出来ですな。ちなみに日本ではDVD化されていません。ヤフオクではVHSが売ってました。

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1985年 イタリア Sotto il vestito niente ★★★
監督:Carlo Vanzina
脚本:Franco Ferrini、Carlo Vanzina、Enrico Vanzina
原作:Marco Parma novel "Solli il vestito niente"
音楽:Pino Donaggio
出演:Tom Schanley ... Bob Crane
Renée Simonsen ... Barbara
Donald Pleasence ... Commissioner Danesi
Nicola Perring ... Jessica Crane
Maria McDonald ... Margaux Wilson
Mimmo Sepe ... Hotel porter