5年前、当時6歳だった娘アンへラを誘拐されたうえに殺されてしまったクラウディア・ギフォード夫人。そのショックから少しずつ立ち直ろうとする彼女のもとに、死んだはずのアンヘラから「助けに来て」と電話があった。伝えられた場所に行くクラウディアはそこで娘の義足を見つけ、事件を担当していた元刑事マセラと独自に調査を開始する。捜査線上にはネイムレスというカルト教団が浮上した。独房に監修されている教祖サンティニから娘のことを聞くが、「娘は全てが始まったところに連れて行かれた」と言うだけ。ついに突き止めた教団の居所に向かうが、そこはクラウディアがかつて別れた夫と泊まり、アンへラを身ごもったホテル跡だった。・・・

ネイムレス 無名恐怖 amazon


カルト教団に絡むサイコ・サスペンス。そのカルトの教えが、「名は神に通じる、名が無ければ(ネイムレス)なら神は関係なく人間性も無視出来る。そして過度の蛮行は悪に繋がり、快楽を得る。悪こそ聖なり」だそうです。なんか悪の崇拝ですが、一応神の存在も否定しない。そして神を恐がっているともとれる発言ですね。そして悪の追求をする為、子供アンヘラを誘拐して(ってか本当は父親が捧げたんですが)無垢な子供の頃からカルトの教義を叩きこむって事をしたんです。アンヘラはずっと、悪に染まりたくない素振りを見せていますが、オチでは結局、染まってました。純粋な苦しみを得る為、探しに来た母親の前でピストル自殺するんです。母親も一緒に苦しんでと言い残して。うーん、後味最悪な終わり方でしたね。でも残された母親はどうなるんでしょう。父親はアンヘラが射殺したけど、ネイムレスの他のメンバーは未だいる。母親は娘の死を悲しみながら、他のメンバーに殺され食われるんでしょうかね。この描かれていない結末も最悪ですね。映像はダーク・ブルーやグリーンが基調になっており全編寒々とした雰囲気になっていました。アンヘラじゃなかったけど、少女の焼けた死体や雑誌記者キロガが食われるグロ・シーンも、ちょっとだけありました。

1999年 スペイン LOS SIN NOMBRE ★★☆
監督:Jaume Balaguero
原作:Ramsey Campbell
脚本:Jaume Balaguero
音楽:Carles Casas
出演:Emma Vilarasau ... Claudia
Karra Elejalde ... Massera
Tristán Ulloa ... Quiroga
Pep Tosar ... Toni
Jessica del Pozo ... Angela
Carlos Lasarte ... Santini