ベンジャミンの奇妙な人生を描いたドラマです。80歳の老人の体を持った子供として生まれ、父親に捨てられ、年をとる毎に若返っていくベンジャミン。最後は赤ちゃんになって死んでいくのですが、人生が逆というだけで、だからといって苦難、苦難と言う訳じゃ有りませんでした。それなりに恋もしたし酒も飲んだ、分かってくれる友達も回りにいたんですから。しいて悲しい事といえば友達の死、そして自分の愛するデイジー、子供と別れなきゃならない事ですね。自分は、どんどん若返り、デイジーが子供2人を面倒見る羽目に陥ることを察知して自分の感情を抑えて家を出るベンジャミン。オイラはラストで死ぬシーンより、ここの方が胸が締め付けられましたね。全体的にマッタリ・ムードの映画ですし、大きな感動ってのもありませんでした。こういう人生もあるのかっていう感じでしたね。

以下、トリビアです。この作品は世界で初めてコンツアーシステムを導入。これは全く異なる人間同士を一人の人間として合成出来る画期的なシステムだ。本編では老化したブラッド・ピットの顔だけを切り取り、別の役者の胴体と繋ぎ合わせる事に成功。画面を見ただけでは合成とは全く判らないほどの精巧な映像化を実現した。アップル・コンピュータの元技術者が独自に開発し、この映画で採用された。

2008年　アメリカ　The Curious Case of Benjamin Button　★★
監督：David Fincher
脚本：Eric Roth、Robin Swicord
原作：F. Scott Fitzgerald (short story)
音楽：Alexandre Desplat
出演：Brad Pitt ... Benjamin Button
Peter Donald Badalamenti II ... Benjamin 1928-31
Robert Towers ... Benjamin 1932-34
Tom Everett ... Benjamin 1935-37
Cate Blanchett ... Daisy、ベンジャミンの永遠の恋人
Julia Ormond ... Caroline、デイジーとベンジャミンの娘
Taraji P. Henson ... Queenie、ベンジャミンの育ての親
Jared Harris ... Captain Mike、ベンジャミンの初めての仕事であるタグボートの船長。
Tilda Swinton ... Elizabeth Abbott、ベンジャミンと不倫する人妻
Jason Flemyng ... Thomas Button、ベンジャミンの父、ボタン工場を経営している。
Joeanna Sayler ... Caroline Button、ベンジャミンの母、産んですぐに死亡する。