田舎町の沼で謎の失踪事件が続発。この沼には大蛇やワニがいて、地元ではネス湖と同じように怪物がいるのではと恐れられていた。警察のディックが失踪の捜査に乗り出そうとしたところ、そこへ新聞記者をしている婚約者ジャネットが現れる。ネタをつかんだ彼女は沼のほとりのウィロー邸が怪しいとにらみ、調査をはじめるが車のパンクで事故り何者かに捕らわれる。屋敷の主は1948年11月にウィロー邸を購入したヴォルノフ博士というマッド・サイエンティスト。彼女を捕らえたのは博士の忠実な下僕で、姿形は野蛮だが、純粋な男ロボだった。時を同じくしてヴォルノフを追って屋敷を訪れた怪奇現象の権威、ストロウスキー教授に、ヴォルノフは自らの原子力に関係する独自の研究の成果により、いずれ全世界を彼が創造した原子の超人が征服するだろうと演説をぶつ。ストロウスキーは、博士が造った大ダコの餌食にされ、いよいよ狂気の魔手がジャネットに及ぶ。・・・

怪物の花嫁 amazon


催眠術を使う原子力科学者が超人を作って世界を支配しようと企むお話。監督・製作・脚本は「プラン9・フロム・アウタースペース」「グレンとグレンダ」で知られる“史上最低の映画監督”こと、エドワード・デイヴィス・ウッド・ジュニアで、彼の正式劇場公開第3作にあたります。主演は魔人ドラキュラでお馴染み、べラ・ルゴシがマッド・サイエンティストの役柄に挑みます。ってか、ルゴシの怖いのは、いつもの目のアップだけ。この人のホラー演技はこれだけかいな!そしてエド・ウッドらしく、ラストの荒唐無稽さは唖然のピカ一でした。そこを書きますと、エリック・ヴォルノフ博士は原子力の力で大ダコ製造までは、こぎつけましたが男の超人は死んでしまい中々成功しません。挙句の果てに車の事故でかどわかしてきたジャネットを使って先に超人女性を作ろうとします。ジャネットが好きな召使のロボは、博士を裏切り、博士自身が超人実験をされちゃった。そこへ警察が乱入、外へ逃げるのですが、ジャネットの婚約者のディックに岩をぶつけられ沼へ転落、そして大ダコの餌食になります。更にそこに雷が落ちて、大ダコもろとも核爆発で幕でした。こんな幕切れですが、とりあえず、突っ込んでおきます。まず、大ダコのハリボテですが、まったく動きません。ですから犠牲者役がワーワー叫びながら足を動かす羽目になっています。御苦労様でした。(笑)そしてラスト、博士は超人になっているはずなのですが岩も止められないのです。どんな超人だぁ!また、そばの沼で核爆発、キノコ雲が出ているのに、ジャネット、ディック、ロビンズ警部は平然としている。こんなことある訳ないでしょうにっ。でも、エド・ウッドの映画は突っ込んでなんぼですから、これでOKなのでしょうね。

wood_bride.jpg

1955年 アメリカ モノクロ BRIDE OF THE MONSTER、BRIDE OF THE ATOM ★★
監督、製作:Edward D. Wood Jr.
脚本、原案:Edward D. Wood Jr. 、Alex Gordon
音楽:Frank Worth
出演:Bela Lugosi ... Dr. Eric Vornoff
Tor Johnson ... Lobo
Tony McCoy ... Lt. Dick Craig、ジャネットの婚約者
Loretta King ... Janet Lawton、新聞記者
Harvey B. Dunn ... Capt. Tom Robbins、ロビンズ警部、ディック、マーティンの上司
George Becwar ... Prof. Vladimir Strowski
Don Nagel ... Det. Marty Martin (as Don Nagle)