1692年3月3日、マサチューセッツ州のホワイトウッド村で、エリザベス・セルウィンという女が魔女という理由で火刑に処せられた。そして現代。ある大学の教授アラン・ドリスコールは、異常な情熱をもって魔女の講義をしていた。美しい女子学生ナン・バーロウは、魔術のレポートを教授に褒められる。そしてホワイトウッドへ調査に行きたいと言うと、教授はレイブンホテルを紹介してくれた。濃霧の町へ自動車で向う途中、ジェスロー・カーンと名乗る紳士を同乗させたがレイブンホテルの前で紳士の姿は消えた。宿には女主人ニュウレス夫人と口の不自由な女中ロッティしかいない。

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ナンは教会で盲目の老牧師ラッセルから、「ここは悪魔の支配する土地だから直ぐ帰れ」と注意される。隣の牧師館で老牧師の孫娘パトリシアから魔女の本を借りたナンは本を読み終えてホテルのホールへ行くと数組の男女が踊っていた。が、ナンが衣裳を着換えに戻った間に彼らは消えてしまった。そしてナンの引き出しに小鳥の死骸があり、ドアにニンドウの枝が打ちつけられているのを見て、魔女の本にあった通り、自分が悪魔に捧げられる生贄であることに気づいた。その後、入り込んだ地下室で彼女は黒ずきんの男につかまりニューレス夫人やドリスコル教授の前で胸に刃を刺された。2週間経ち帰らないナンに驚いた彼女の兄リチャードと、恋人のビルは別々にホワイトウッドへ向う。一方、悪魔の手はパトリシアにのびた。途中で魔女に謀られて車をクラッシュしたビルは瀕死の老牧師から「悪魔たちに十字架の影をあてよ」と教えられた。パトリシアは車を壊され牧師館で捕えられ、地下室へ。駈けつけたリチャードは拳銃を発射したが彼らは影のように傷つかない。そこにはドリスコールもいた。彼らは現世の人間ではないのだ。そしてパトリシアは地上へ出され墓地で12時の鐘を合図に生贄にされることになった。重傷のビルは墓地の十字架を抜きにいくがエリザベスに短剣を投げられ背中に受けてしまう。それでも立ち上がり十字架をかつぎ、魔女たちに影を浴びせるビル。魔女たちは全身に火を発して燃えていく。全員倒した後、ビルは静かに息を引き取った。・・・幕

後のアミカス・プロダクションを創設するミルトン・サボツキーが作った邪教の村のお話。血まみれなんかはゼロですが、オカルトちっくな雰囲気は充満しているし(濃霧の町や不気味な村人、いかつい顔のニュウレス夫人=魔女エリザベス・セルウィン)、展開がテンポよく流れるので、ダレずに見れました。面白い脚本です。ラストの盛り上げ方もハラハラさせる演出で二重丸です。またDVDの画質も悪くありません。これはリマスターされていました。

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1960年 イギリス モノクロ Horror Hotel、The City of the Dead  ★★☆
監督:John Llewellyn Moxey
脚本:George Baxt
原案:Milton Subotsky
音楽:Douglas Gamley
出演:Dennis Lotis ... Richard Barlow
Christopher Lee ... Prof. Alan Driscoll
Patricia Jessel ... Elizabeth Selwyn / Mrs. Newless
Tom Naylor ... Bill Maitland、ナンの恋人
Betta St. John ... Patricia Russell
Venetia Stevenson ... Nan Barlow (as Venetia Stephenson)
Valentine Dyall ... Jethrow Keane
Ann Beach ... Lottie
Norman Macowan ... Reverend Russell