チベットでしか咲かないと言われている珍しい花、マリフェイザ・ルミナ・ルピナ(輝ける狼の花)を探しにきたロンドンの植物学者ウィルフレッド・グレンドン博士。彼は助手のヒュー・レンウィックと共に入ったが最後、戻ってきた者はいないという谷に踏み込む。そしてマリフェイザを発見。大喜びで採取しようとするグレンドンだが、怪しい影が彼に近づく。その影は狼男であり、狼男は博士に襲い掛かる。なんとか撃退する博士だが、彼の右腕は噛み裂かれていた。 ・・・

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有名な狼男が公開される6年前、ユニバーサル・スタジオで製作された狼男映画。現存するフィルムの中で最古と言われています。(なお、フィルムが現存していないものを含めると、1913年のThe Werewolfが最も古い。)一番はじめに驚いたのがグレンドン博士の研究室にモニターつきの監視カメラがある事。この時代に、一介の研究者がこんなもん付けれるのでしょうか?かなり高価だと思うのですが・・・。あと、狼男メイクは、あのジャック・ピアースですが、顔には未だヤクの毛は余り付けていません。最初だから試していたんでしょうかね。オイラは、それよりも頭の剃り込みが気になって。これっ、オイラの青春時代のツッパリくんじゃないですか。(笑)恐いというより笑ってしまいました。他にもお笑いシーンが結構ありました。エッティーおばさんがヤガミ博士を何回もミスター・ヨコハマと呼んだり、宿屋のおばさん2人の掛け合いとかね。こういう背景には当時のアメリカのプロダクション・コード規制(映画倫理規定であり脚本の事前検閲)が1934年7月から始まり、ホラー映画は作りにくい中、いろいろ試行錯誤していた跡が判ります。

1935年 アメリカ 75分 Werewolf of London ★★☆
監督:Stuart Walker
原案:Robert Harris
脚本:John Colton
音楽:Karl Hajos
出演:Henry Hull ... Dr. Glendon、werewolf
Warner Oland... Dr. Yogami、werewolf
Valerie Hobson... Lisa Glendon、グレンドン博士の妻
Lester Matthews... Paul Ames、リサの幼馴染で以前の恋人。
Lawrence Grant ... Sir Thomas Forsythe
Spring Byington ... Miss Ettie Coombes
Clark Williams... Hugh Renwick
J.M. Kerrigan... Hawkins
Charlotte Granville... Lady Forsythe