1965年12月ロバート・モーガンは一人になってから3年がたった。世界は伝染病により死滅、死んだ人間は吸血鬼となり、夜になると動き出し人を襲っていた。モーガンも娘、妻を亡くしたが、何故か彼は免疫があり一人生き残っていた。モーガンの仕事は木の杭を自製しての吸血鬼ハント。そして家の戸口には、吸血鬼の嫌いなニンニクと鏡をかけ、夜を防衛していた。

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ある日、昼間にルース・パワーズという女性に出会い、彼はコミュニティの存在に気づく。しかし実はルースたちも感染していて薬により吸血鬼化を防いでいたのだった。そしてルースが言う。「貴方が殺していたのは、吸血鬼じゃない、私達コミュニティの感染者たちなの。私達は半分まだ人間なの」と。モーガンは血清を作りルースに投与すると、効き目があり彼女は完治した。しかし時既に遅し。コミュニティの人らはモーガンを悪魔、敵と決め付け、モーガン宅を急襲。なんとか、その場を逃げるが、ルースの言葉はコミュニティの人に伝わらず、モーガンは教会で殺されるのだった。・・・幕



伝染病により人が死ぬとヴァンパイアになって蘇ってくるという世紀末のストーリーです。ナイト・オブ・ザ・リビングデッドの元となった映画。確かに、のたのた歩くヴァンパイアや学習能力が無いヴァンパイアはロメロのゾンビとの共通点は多いです。でもロメロのNOTLD程の恐怖感はありません。怪物の怖さより、取り残されたモーガンの悲哀の方が強調されていて、人間ドラマ風の作りでした。ラストも、人類の生きる術が見つかっても、感染して半分吸血鬼になっている人間達は何も知らずにモーガンを殺してしまいます。人間の未来は自らが潰していくという結末でした。また、原作者のリチャード・マシスンも脚本に参加していて、ほぼ忠実に原作を再現しているそうです。

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1964年 イタリア・アメリカ THE LAST MAN ON EARTH、
L' ULTIMO UOMO DELLA TERRA モノクロ ★★★☆
監督:Sidney Salkow、Ubaldo Ragona
原作:Richard Matheson (novel "I Am Legend")
脚本:William F. Leicester、Richard Matheson(as Logan Swanson)、
Furio M. Monetti、Ubaldo Ragona(as Ubaldo B. Ragona)
音楽:Paul Sawtell、Bert Shefter
出演:Vincent Price... Dr. Robert Morgan
Franca Bettoia... Ruth Collins
Emma Danieli... Virginia Morgan
Giacomo Rossi-Stuart... Ben Cortman
Umberto Raho... Dr. Mercer
Christi Courtland... Kathy Morgan