中世のある国、何者かにバラを摘みに来た王子が首をはねられ殺される。妹であり兄の愛人であるジェーン王女は(近親相姦)、姉のアガサ王女に殺したのは、ノーマン公爵に違いないと語るが証拠がなかった。公爵は王の妾の子なので、王位継承順は一番下だ。(順序は低能のアルバート王子、アガサ王女、ジェーン王女、ノーマン公爵の順)議会は長年のしきたりに従い、知恵遅れだがアルバート王子を王に決定。但し、王位継承式までは、ノーマン公爵を暫定の王とした。ノーマン公爵は更にアルバートに妃をめとれと議会に進言、へザーが選ばれる。へザーは父一人の貧しい家の娘だが、昔、拾われており本当の親は分からない。へザーは片目のお婆たち住民に、結婚は逆らえないと言われるが、乗り気にはなれず恋人ウィリアムズと駆け落ちしようと試みる。しかし公爵の手下がウィリアムズを磔にして、くわで惨殺したので、やむなく宮廷に行く。
 
宮廷の地下には幽閉された公爵の反乱分子が閉じ込められていた。ある者は舌を抜かれ、ある者は両足を切断されていた。片目のお婆は、そこへ入り込みノーマン公爵に復讐を誓う。(リベンジ・コールはいいですが、何でお婆が城の地下に入れるの?大変疑問?)婚礼の夜、中々やらないアルバート王子を公爵は無理にベッドに入れ、へザーと寝かせる。そして終わった後、(本当にやったのか?)いびきをかいている時、アルバートに木の杭をぶち込む。(アルバートは吸血鬼じゃないでしょ。笑。)そして、アガサ王女、ジェーン王女を手にかけ、いよいよへザーも殺されようとしていた。たまたまへザーの暗殺を依頼された村の男はへザーの知り合いで好意を持っていた。そして彼は逃げろと言ってくれた。だが、そこに公爵のせむしの下男が現われ、乱闘になる。そして助けてくれた男とせむし男は相討ちとなった。更に公爵が現われ、絶体絶命のへザーという時、片目のお婆が登場。公爵の胸に槍を投げつける。悶絶して倒れる公爵。片目のお婆は、実は昔、王女でありへザーの母親だったのだ。へザーに、この国の将来を託して、わが子の腕の中で、お婆は息を引き取った。へザーはお婆の下男と共に森を後にし、王妃の仕事に向かう。シャンシャンと幕。・・・





故アンディ・ミリガンの中世の権力争いドラマ。こういうと、壮大な感じがしますが、内容はスッカラカンのNOTHING。妾腹のバイ・セクシュアル公爵が王になる為に、次々と後継者を殺していく、ただそんなけの話。「退廃こそが我が美徳、愛情なんかにゃ溺れない!」を合言葉に公爵が頑張ります。邦題見ると、拷問映画かって思いますが大した事はありません。殺されるシーンは出てきてもロングショットで良く見えなかったり(地下の犠牲者たち)、クローズショットにすれば、腹にナイフ刺されるとか、そんな接写ばかりなので、おおっ痛々しい等のリアル感は皆無。印象的なのが、公爵の部下のせむし男。まったく意味不明な歌を歌いながら飛び跳ねて踊っています。それを見て喜んでいる変態公爵。このシーン、メッチャしらけるんですが、あきれ返って笑えましたね。ストーリーもありきたり、テンションもずっと低空飛行の最低映画。映像も16㎜フィルムをブローさせた荒れた感じだし、手ぶれがいっぱいの映像ですから、たまらない。監督が撮影兼任せず、まともなカメラマン使えば良いのにねぇ、、、あっ予算が無いっか。また、夜の設定になっているのに、さんさんと照りつける太陽の下での撮影は違和感バリバリ。あっ、照明に使える金が無いっか。仕方がないね(笑)。本作は、ホラーとも、ドラマともいえず、オイラのような余程のマニア以外には、とてもお勧め出来ません。
PS:日本版VHSの副題は、伯爵~と書かれていますが、ビデオ内の日本語字幕は公爵になっていましたので、このブログでは公爵に統一しました。また低能王子アルバートもIMDBではアルフレッドになっていましたが、日本語字幕を基準にアルバートとして記載しました。

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1970年 アメリカ TORTURE DUNGEON ☆
監督、脚本、撮影:アンディ・ミリガン
脚本:ジョン・バースク
出演:ジェレミー・ブルックス(ノーマン公爵、冷酷なバイ・セクシュアル)
スーザン・キャシディ(へザー・マクレガー、低能王子に嫁がされる娘、本当は王女だった。ヒロインですが、ちょい太め、好みじゃないっす。)
パトリック・ディロン(ジェーン王女)
ドナ・ウィットフィールド(アガサ王女、一番綺麗っすね。)
ニール・フラナガン(ピーター、片目の議会の議長)
リチャード・メイソン(アイバン、せむし男)
マッギー・ロジャース(片目のお婆)
ハル・ボルスク(アルバート王子、低能男)