田舎町の酒場で、男たちが語っている。突然妻へレンが失踪したクリフ、そしてウィタカ夫妻もスチーブもジムも会っていないなあと語るマスター。そこへジムが血まみれの姿でフラフラと店に来て絶命した。ドンは恋人ジェニーの父ロイ・アンダーソン博士と家の地下の実験室で病理学の研究をしていた。先ほど死んだジムの血液を調べると、外的要因で血球の成長速度が1000倍以上に早められていた。しかも血液のみで増殖を続けているのだ。ロイは「これは病理学の大飛躍か人類の大破滅のしるしだ」と言った。 その様子を窓からうかがう不振な農夫が一人。番犬バスターに追われた農夫は森の中で犬を殺す。そしてバスターは全身の血を抜き取られた無残な姿で玄関に吊される。農夫は大昔の吸血集団ドルイドの末裔で、秘儀により、さらってきた家畜や人間の血液を異常増殖させ、それをポンプで吸い出し収穫していた。そして滅び行く民族である彼らの悲願は永き眠りについた女王ダナの復活。だがその儀式の刻限である5月1日「メネノンの祝祭」は間近に迫っていたのだが、復活に必要な「宿主」はまだ見つかっていなかった。 「宿主」の選定は、ドルイドの果実メネノンを飲ませて、血液が異常繁殖しなければ、当たりだそうだ。・・・

血まみれ農夫の侵略 amazon

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不思議な映画で、ホラーですが全然怖くありません。前半の編集はメチャ雑で、シーンがクルクル変わり過ぎ、見ながら内容把握するのに大変疲れました。ホラー度はゼロ、緊迫した演出も無し、ところどころに血まみれの男女と犬が出てくるだけでした。そして一番の矛盾は家の中での話や台詞が夜と言っているのに、外に出ると真昼間なのです。ここは、白夜の国、北ヨーロッパかと、初め思いましたが、どうも違う。夜撮影したら、機材に金がかかるから真昼間で撮影して、無理矢理台詞でこじつけたのでしょう。(そんな映画有りかぁ?)オチもアンダーソン博士が見つけた血液の異常増殖が抑制できるヨードとアンモニアの混合液を復活した女王ダナにホイッとふりかけたら、末裔のキンスキー博士、農夫のエゴン、アーガ、へラット、僧侶のクリトンも一緒に倒れて死んじまった。なんか、最近このパターンのオチ、よく見てるなぁ。(笑)そして、もっと解らないのは、アームストロング博士が大笑いして、番犬バスターが生き返ったと喜んでいるラスト。意味不明ですが、バスターにドルイドの秘儀をして生き返らせたのかぁ?謎のまま幕っす。

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1971年 アメリカ INVASION OF THE BLOOD FARMERS ★
監督、製作、脚本:エド・アドラム
出演:ノーマン・ケリー(ロイ・アンダーソン博士)
タナ・ハンター(ジェニー・アンダーソン)
ブルース・デトリック(ドン・タッカー)
ポール・クレイグ・ジェニングス(クリトン、ドルイドの僧)
リチャード・エリクソン(ソンタグ=キンスキー博士)
ジャック・ヌーベック(農夫イーゴン)
フランク・イオビエノ(スパノ警部)
シンシア・フレミング(女王ダナ)