ニューヨークからエジプトへ訪れたハッカー一家。考古学者の父ジョージは地元住民から呪いがあると恐れられているハブヌブノアの墓の謎を説くために、母エミリーと娘スージーは観光で来ていた。エミリーは娘そっちのけで写真撮影をしていた。一人で待っているスージーに盲目のお婆さんが近づき、彼女にペンダントを渡すと「墓場は死者のもの」と告げる。その頃、ジョージは墓の中に入っていた。トラップによって仲間が殺される中、なんとか墓にたどり着いたジョージの目に青い怪光線が当てられ、彼は盲目になってしまった。その後、ニューヨーク、マンハッタンに戻った家族の回りに、不可解な出来事が起きはじめる。・・・

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エジプトの悪の神の呪いを描くミステリー作品。スージーが持つペンダントの力がスージーや弟トミーに乗り移り奇怪な出来事を起こします。この映画で面白かったのが、乗り移られた姉弟がニューヨークからワープしてエジプト旅行をしている事。悪霊が呼び寄せ、子供を指導していたのでした。でも乗り移られた子供が直接、殺人するのではありません。ペンダントの力が行っているのです。そんなら、乗り移る意味が無いと思いましたが、霊媒というか、移動手段として子供を使っていたのかもしれませんね。結構、幻想的な映像が多く(青い怪光線、手から発熱、ジェイミーの干からびた腕が血に染まった壁から出てくる、悪の目の写真が消えたり現れたりする。)スプラッターには余り力が入っていませんが、とりあえず串刺し、と古物商の血まみれのシーンはあります。特に後半の古物商はスージーの悪霊を乗り移らせ血を噴きながら、のたうちまわったり、自分の商品の剥製の鳥に突かれて死んだり、まずまずの出来でした。またストーリーの破綻はないので問題無く見れるのは、フルチにしては珍しかったです。以前、雑誌でこの作品は製作予算をカットされフルチはやる気を失ったと読んだ事があります。原因は前半のエジプトへのロケ代で金がかかった事でしょうかね。前半は、壮大な雰囲気がしっかり出ていて良い雰囲気だったのですがねぇ。

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1982年 イタリア MANHATTAN BABY ★☆
監督:ルチオ・フルチ
製作:ファブリッツィオ・デ・アンジェリス
脚本:ダルダーノ・サケッティ エラザ・ラビア・ブリガンティ
撮影:グリエルモ・マンコーリ
音楽:ファビオ・フリッツィ
出演:クリストファー・コネリー(考古学者ジョージ・ハッカー)
ブリギッタ・ボッコリ(スージー、ジョージの娘)
マーサ・テイラー(エミリー、ジョージの妻)
ジョヴァンニ・フレッツァ(トミー、スージーの弟)
シンシア・デ・ポンティ(ジェイミー、ベビーシッター)
コジモ・チニエーリ(エイドリアン・マーカート、古物商)
カルロ・デ・メジョ(ルーク、タイム&ライフ社の社員、エミリーの同僚)