幻覚や殺人衝動に悩むホラー映画の監督ルチオ・フルチが近所の精神科医シュワルツに相談する。フルチは最近の残酷な連続殺人が実は、自分がやったのでは?と悩んでいた。ところが真犯人はシュワルツ。彼はフルチに催眠療法を施し、犯人に仕立て上げようと計画していた。・・・

nightmareconcert001.jpg

ナイトメア・コンサート amazon
フルチ自身が主演を演じるサイコ映画。フルチ登場前から『タッチ・オブ・デス/死の感触』の1シーンが飛び出し、なんでこんなもん入っているのだぁと疑問符が大量につきました。その後、監督が出演して過去の自分の作品のグロ・シーンに悩まされると分かり納得。使い回し映像は『ルチオ・フルチの ゴーストキラー』も挿入されており、ゴアシーンはてんこ盛りでっす。血だらけの首なんか、数多く登場します。本筋は殺人鬼シュワルツなんですが、動機も何も説明されず、彼も殺しまくるだけ。そして憎っくき悪妻を絞め殺した後、警察に射殺されます。ここが、ねぇ、警察との追っかけっこなんかゼロ。いきなり野原にシュワルツの死体が転がり警部が説明、、、なんというあっけなさだぁ。あきれ返りますねぇ!大抵ラストまでゴア・シーンたっぷりだから捜査過程のサスペンスなんか、どうでもいいのでしょう。「これだけ血を見せてやったぞ、満足でしょう」という監督の笑い顔が目に浮かびます。そして物語はラストのヨット内のシーン。フルチは精神科医の受付のリリーと2人で海に出ています。そしてリリーが船室に下りた時、彼女をチェーンソーで殺し、釣りの餌に。「ついに、ついにフルチまでイッチまった」のかと思ったのですが、、、これは映画の撮影シーンでした。フルチは狂わずリリーと2人でヴァカンスに出かけたのです。そして幕。珍しいハッピーエンドで終わったぞ。監督自身が出ているからな。やはり俳優じゃなく自分自身だから楽しく終わりたいのだろうな。(笑)

nightmare_concert002.jpg

nightmare_concert_vhs.jpg

1990年 イタリア Nightmare Concert、Un Gatto nel cervello、Nightmare Concerto、A Cat in the Brain ★★
監督:ルチオ・フルチ
脚本:ルチオ・フルチ ジョン・フィッツシモンズ ジョヴァンニ・シモネッリ アントニオ・テントーリ
音楽:ファビオ・フリッツィ
出演:ルチオ・フルチ(ルチオ・フルチ)
デヴィッド・L・トンプソン(精神科医イーゴン・シュワルツ)
ジェフリー・ケネディ(ガブリエーリ警部補)
マリサ・ロンゴ(カッチャ、シュワルツの妻)
リア・デ・シモーネ(ソフラン、タッチ・オブ・デスの中の女優)
サッシャ・ダーウィン(オーブンの中の女の首、タッチ・オブ・デス)