金沢にある昭和生命保険(株)北陸支社に勤務する若槻は、ちょっと気が弱いが真面目な社員。ある日、菰田重徳という契約者からの呼び出しを受け家に赴いた彼は、そこで重徳の継子・和也の首吊り死体を発見。和也が若槻の会社の保険に加入していた事から、和也の実母である幸子や重徳に保険金の催促を受けるようになる。本社の査定が待たれる中、日参する重徳の異常さに息子殺しの疑惑を抱き始めた若槻は、独自に調査を開始。重徳が障害給付金を得る為なら指をも落とす指狩り族と呼ばれる札付きである事など、数々の黒い過去を知るのであった。そんな折、若槻の恋人の恵は自身が勤務する大学の研究室の心理学助教授・金石に相談をする。金石は菰田重徳をプロファイリングし、彼は情性欠如者、つまり心がない人間=サイコパスではないかと若槻に伝えた。・・・

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黒い家 amazon


保険金目当てのサイコキラーのお話。前半はジワジワと怖さが広がり、ラスト20分で完全爆発でっす。この映画の功労者はなんといっても気弱な若槻役の内野聖陽。全編の80%は彼のビビリ演技が閉めています。1人でいてもビビリまくりで彼の役作りも大変でしたね。そして彼がビビル理由は、まだ毛がある若い時の(笑)西村雅彦や大竹しのぶのサイコぶりが凄いからなんです。前半で危ないのは情緒不安定な西村雅彦と思わせといて、いっち番怖い奴は大竹でした。大竹は反社会性人格障害という病気で、情緒欠如、抑制欠如の女、心がゼロの女でした。頭にきたらすぐ殺す、そして若槻のマンションに入り込み部屋を破壊、更に自分の家に警察が来ても逃げ延び、またまた若槻をつけ狙う。ストーカーバリバリで、もう会社の階段での戦いはターミネーターものでした。また若槻を殺そうとしている最中にキスしたり、「乳しゃぶれーーー。」と要求する。やりたくなったらS丸出し。確かに大竹の家に電動バイブが転がっていたから解らないでもないけどね。もう、本能のまま生きているメス虎と一緒でした。このシーン見ていると、理性がある女性でもHしていてイキそうになる時って限りなく動物に近い事を思い出し、ちょっとコワッて感じました。(男は意外と冷静なんでね。笑)ちなみにDVD化は2008年9月5日。2006年には韓国でリメイクもされました。

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大きな乳じゃぶらせていますが、これは大竹じゃないでしょうね。(彼女も大きそうだけど)
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1999年 日本 松竹映画 118分 The Black House ★★★
監督:森田芳光
原作:貴志祐介
脚本:大森寿美男
音楽:山崎哲雄 主題歌:m-flo「chronopsychology」
出演:内野聖陽(若槻慎二)
大竹しのぶ(菰田幸子)
西村雅彦(菰田重徳)
田中美里(黒沢恵、若槻の恋人)
石橋蓮司(葛西好夫)
町田康(松井刑事)
小林薫(潰し屋三善茂、保険契約解除人)
桂憲一(金石克己)
貴志祐介(営業マン、原作者らしいが誰か分からん。)