上巻~示されし黄金の道
フレメン軍は12年に及ぶ長い戦いの末、シャダム4世を皇帝の座から引きずり降ろし、コリノ家をサルサ・セカンダス星に幽閉した。ムアディブの十字軍は最強となり各惑星を支配、ムアディブが皇帝となり首都はアラキス星に置いていた。支配が強まれば反逆者も出てくるのが世の常。アラキス星でも、その統治を揺るがす陰謀と、反逆が起きていた。復権を狙うコリノ家ウェンシシア(イルランの姉)は、ダンカンのクローン(ゴーラ)を作り出し暗殺者として宇宙ギルドのお土産として持って行かせる。そしてフェイス・ダンサーもリヒナに化けてヒットマンとして送り込まれる。そしてシャダムの死後、ウェンシシアはギルドと結託してアラキスから巨大な虫を略奪する。またムアディブの正妻イルランはべネ・ゲセリットに利用され、チャニに子供が出来ないよう避妊薬を飲ましていた。更にコルバを中心とする一部のフレメンは、砂漠での生活を取り戻そうと反乱を企てる。街に出かけたムアディブをストーンバナー(岩石焼却弾)が襲う。命はとりとめたが、その影響で視力を失う。(でも視覚はあるから歩けれる。ここが救世主の凄い所だ。)そしてチャニにフレメンの食事療法を施しシーチに戻り、男と女の双子を産むがチャニは激しいお産の疲労で死んでしまう。その時、サイテイルに子供を殺されそうになるが、子供の力で立ち直り(まだ、赤ちゃんなのにムアディブの心に話しかけるのです。)何とかサイテイルを始末する。そしてムアディブは、自分の子供に、この星の将来を託し、自ら不毛の砂漠へ遠き永遠に帰ることのない旅に出た。・・・

デューン / 砂の惑星 2 Desert アレック・ニューマン amazon
このデューン2はTVムービーだけで劇場公開版は無し。革命の時は神聖な存在だったムアディブでしたが権力を握るとやっぱり人間。神じゃありませんでした。また彼は未来が予知出来る為、結局未来を考えて、行動していきます。そしてチャニを失って未来に操られていたと気づくのです。予知出来るのは良いが皮肉な話ですね。ストーリーの中心はアラキスの陰謀話がメインです。ムアディブの暗殺者もゴーラ、小人のビジャス、フェイス・ダンサー、フレメンの裏切者コルバと多彩です。今回アリアは大人になって美人になっていました。俳優さんはダニエラ・アマヴィア。虫の出現や風景のロングショットのCGはなんか、現実離れしていてイマイチでしたが、アリアのフライング・ブレードのCGは良い出来でした。同じ作品の中ですが、CGのクオリティ差が激しく感じましたね。ムアディブは姿を消し、残ったのは、2人の赤ちゃんとアリアとダンカン(ゴーラというクローンですが、ダンカンの記憶が全部蘇って、ダンカン本人と一緒になりました。)

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中巻~選ばれし砂漠の子供達
アリアはダンカンを夫にして帝国の摂政となり支配していた。しかし今もフレメンの反逆者は存在して、コリア家も虎使いのパリンパシャをスパイとしてフレメンに潜入させていた。だが母の陰謀を横目で見てファラドゥン王子は皇位に対しては興味がまったく無い。ムアディブの子供、レトとガニマはもう大人になりつつあった。ムアディブはさかんにレトの夢に登場して「黄金の道はお前に任せる。但し大変危険な道だ。」と告げていた。レト、ガニマはイルランに育てられており、叔母であるアリアとは折り合いが悪かった。アリアは未来の予知を見る為、香料を過剰摂取していた。そんな時カラダン星からジェシカがやってくる。アリアは15歳にして母ジェシカに見捨てられた事を恨んでいた。そして次第に情緒不安定になり、側近の聖職者ジャヴィッドと浮気をしてしまう。更にアリアが殺した祖父バロン・ハルコネンの幽霊が現れてとりつかれてしまう。またジャヴィッドは反帝国側のフレメン・ジャカルートゥのメンバーだった。イルランとジェシカはアリアの異変に気づき手話で話をしてレトとガニマを宮殿から脱出させ中立地帯であるダブル・シーチへ連れて行く。・・・

この話のメイン・キャラはアリアで、そこにレト・アトレイデスが絡むというものです。しかし帝国はムアディブからアリアへ引き継がれましたが、うまく機能しません。それどころかアリアは権力欲の塊となっていき最悪の方向に向かっていきます。そんな時レトはムアディブの神話を壊す、伝説を破壊するとスティルガーに告げるのです。無敵の帝国は人間が管理する以上、存在しないのですね。作って壊され、また作って壊される、、、人間の世はいつも変わりません。

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下巻~秘められし砂漠の力
アリアの反政府勢力への弾圧は日ごとに増していた。ダンカンはアリアにジェシカ殺害を命じられるが裏切り、サルサ・セカンダス星へ逃れる。そしてジェシカはファラドゥン王子にべネ・ゲセリットの技を教える代わりに匿ってもらった。レトは自分は死んだと思わせる為、ガニマを残して1人でジャカルートゥへ向かうが、捕まって香料を飲ませ続けられる。しかし彼はアリアのように精神は破綻しなかった。香料を克服してパワーアップ、砂漠を救う為に立ち上がる。その時右手の皮膚が砂虫のように変わり始める。ガニマは虎使いのパリンパシャを殺した後、フレメンに助けられる。そしてダブルシーチに帰った後、アリアの要請でイルランと宮殿に戻る。しばらくするとコリノ家から縁談の話が持ち上がりジェシカ、ウェンシシア、ファラドゥン王子がやってきた。ファラドゥン王子は「結婚の贈り物は真実だ」と語り、母ウェンシシアの陰謀をすべて暴露。ウェンシシアは投獄された。その頃、ダブルシーチのスティルガー達にアリアは政府軍につくように迫っていた。しかし使者であるダンカンとジャベッドが死んだ為、スティルガーは反政府軍となってしまった。レトは砂漠を彷徨っている時、説教師と会う。彼はなんと父のムアディブだった。そしてムアディブは首都アラキーンで民衆に政府批判をしている最中に暗殺された。レトは父の亡骸を引き取った後、妹ガニアの結婚式に登場。生きている事をみんなに教え、アリアの失政を批判。軍隊と格闘になるが簡単に撃破。その後、アリアは自分の中のハルコネンの幽霊と自問自答を繰り返し、最後には自害してしまう。スティルガーのフレメン軍は砂虫に乗り、すぐそばまで進攻していたがアリアの死で戦争は回避された。スティルガーは政治に疲れ、首都を去り元のフレメンの生活に戻る。そしてレト・アトレイデスは父と同じように首都を去り、1人砂漠へ出て行くのだった。・・・

脚本的にはしょり過ぎ、詰め込み過ぎの下巻でした。ムアディブも恐れる黄金の道の説明は結局無かったですが、オイラが推測するには、黄金の道とは、道路じゃなく、人間の進化の過程じゃないかと思いました。その理由は、黄金の道を歩き始めたレトの皮膚がどんどん鱗みたいになっていくからです。彼は今から砂漠の砂虫のように生きれる体に進化していくのでしょう。ですからレトはアリア亡き後、政治をするのでは無く砂漠へ向かったのでしょう。政治はガニマと夫のファラドゥンに任せておけばOKと思ったのですね。

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2003年 アメリカ・カナダ・ドイツTVM CHILDREN OF DUNE ★★☆
監督:グレッグ・ヤイタネス
脚本:ジョン・ハリソン
音楽:ブライアン・タイラー
出演:アレック・ニューマン(ムアディブ、ポール・アトレイデス)
ダニエラ・アマヴィア(アリア・アトレイデス)
ジュリー・コックス(イルラン・コリノ・アトレイデス)
ジェームズ・マカヴォイ(レト・アトレイデス2世)
ジェシカ・ブルックス(ガニマ・アトレイデス)
スーザン・サランドン(ウェンシシア・コリノ)
エドワード・アタートン(ダンカン・アイダホ、アリアの夫)
スティーヴン・バーコフ(スティルガー)
イアン・マクニース(バロン・ハルコネン男爵、幽霊)
P・H・モリアーティ(ガーニー)
アリス・クリーグ(ジェシカ・アトレイデス、ポールの母)
マーティン・マクドウガル(サイテイル、フェイスダンサー:誰にでも化けられる能力を持つ。)
バーボラ・コディトヴァ(チャニ)