砂の惑星の劇場公開10年後にリリースされMCA・TVスペシャルとして、2夜にわたって放映されました。今回オイラは日本のビデオ・デューン/スーパープレミアム砂の惑星・特別篇(上巻・超人間誕生、下巻・砂漠の大聖戦)で鑑賞しました。下のリンクのDVDと内容は同じです。
感想は、人物描写のナレーションが劇場版より多くなっている為、劇場版のストーリー・クラッシュしているイメージは消えました。但し、ジェシカが生命の水を飲んで教母になるシーンの繋ぎはどちらも一緒。しかし、このバージョンの方が、その前にフレメンとの交流シーンが長いので違和感が無かったです。初めて見る方には全体把握しやすいので、このバージョンをお勧めします。さて、大まかなあらすじは、同じですので、「デューン 砂の惑星 劇場公開版」の記事を参照願います。また、このバージョンは過激な残酷描写をカットと文献に書かれていましたが、カットしてある所は大した事ありませんでした。それを含めてオイラが気づいた追加されたシーン、そしてカットされたシーンのみ書き綴ります。

デューン/砂の惑星 TV放映長尺版 amazon


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・出だしは全然違います。皇帝の娘イルランの説明は全てカット。その代わり挿絵が入って過去の出来事が説明されていきます。内容は、6041年人間は意志を持った機械に支配されていた。機械に対抗する為、人間は精神を鍛える学校を多数作る。その中で2つの学校が生き残る。1つは心を読み取る能力を持つ道女を育てるべネ・ゲセリット・スクール。1つは純粋数学を教える宇宙ギルド・スクールだった。ギルドは宇宙経済を牛耳り、ギルドの航海士達はスパイスガスを使用して宇宙空間を捻じ曲げ、ワープする航法を開発した。そして10192年になると道女とギルドを味方につけた皇帝が宇宙を支配したのだった。(ここの字幕は10192年ですが、劇場版では10191年になっています。後に10191年とこの本編で出てきますので、字幕の間違いです。)またアキラスのスパイス採掘は皇帝や大公家が経営する宇宙開発公社が行っていて、裏では宇宙ギルドやべネ・ゲセリットが支えていた。
・宇宙ギルドの宇宙船が画面いっぱいに登場するシーンが追加。(スターウォーズ風ですが、予算の関係か?後ほど何回も使い回されています。)
・ギルドが来る前の皇帝と教母モヒアムの会話が長い。モヒアムが「心が読みにくい。」とか、皇帝が「彼らが承知しない。出ていてくれ。」と事前に頼んでいる。
・ギルドの親分はスパイス(香料)のおかげで4000年間進化して、皇帝も200年生きている事が明らかになる。
・教母ヘレン・モヒアムが、宇宙船に乗ってカラダン星のポールに会いに行くシーンが追加。
・何回もハルコネンに裏切られているので、和平の申し出を断るレト公爵のナレーションが追加。(これは必要っす。)
・顔の皮膚を治療しているハルコネン男爵の血を貯めた容器と女医の姿がカットされている。
・ジェシカが「娘を宿さなくては」とレトに申し出て抱き合うシーンが追加。劇場版にはジェシカの回想録で3秒ほど出てくるが、娘が欲しいとは言っていない。この時代には、どうも産み分けが出来るらしい。笑。(ここも後ほど重要なので必要です。)
・アキラスに到着したポール達を双眼鏡で覗くフレメンの民が追加。
・レトがダンカンにアキラスの基地で会う時、フレメンからメッセージを渡されるシーンを追加。そして、この後の下記3項目は劇場版と編集が逆になっていました。本来の流れは、このスーパープレミアムです。劇場版はこの後、いきなり、カインズ博士との採掘調査に繋ぎ、後から死体解剖中のユエ博士と会議の一部が出てきます。
・死体解剖中、ハルコネンの兵士の死体から密書を取り出し読むユエ博士。こいつが裏切り者だと即!判明します。(ここも重要なのに劇場版には無い。)
・ポール暗殺未遂事件の責任を取るため、ハワトがレトに辞表を出したいと言うシーンが追加。そして会議シーンが長くなっている。会議後半はレトがガーニーにカインズ博士に会うのが遅れるので、先に相手をしろと命じる。
・家政婦・フレメンの老婆シャダウトが刀を持って、ジェシカが道女かどうか?、ポールが伝説の救世主か?確かめに来る。
・ガーニーがビザンチン楽器バリセットを弾くシーンやカインズ博士とレトが水で契りを交わすシーンが追加。
・レトがポールの寝室を訪れ、「俺にもしもの事があったら」、と告げるシーンが追加。
・フェイドが捕まえたレトの服の記章を剥ぎ取り、ユエ博士の口に突っ込むシーンが追加。
・ハルコネン男爵がバイターに「ユエを近づかせるな」と言うシーンが追加。
・ポールとフレメンのジャミスのナイフでの決闘シーンが追加。
・妻子が見守るジャミスの火葬のシーン、そしてジャミスの財産の水を受け取るポールの姿を追加。
・父親カインズを殺されたチャニの悲しみのシーンを追加。
・スティルガーがポールに砂虫シャイフルドに乗る方法を教えるシーンが長い。フックを関節につけると砂虫はそこを砂につけないよう上部にして走ると説明している。
・地下でシャイフルドの幼虫を飼い、胆汁を吐かせて、生命の水を作るシーンを追加。
・生命の水を飲み、生死を彷徨うポール。その光景を母ジェシカ、妹のアリア、教母が感じ鼻血を流しているシーンをカット。
ちなみにこれが過激な残酷シーンのカットなんでしょうか?だって、他にバロン・ハルコネンが青年の心臓弁を引き抜き殺すシーンや、ダンカンの頭に突き刺さるドリルや、フェイドの首に突き刺さるナイフのシーンもありますが、全部残っていました。それに比べれば、このシーンは鼻クソモンだと思うのですが。(笑)カットする必要はないと思います。

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1994年 アメリカ 189分 DUNE ★★★
監督・脚本:デヴィッド・リンチ(監督・脚本クレジット:アラン・スミシー)
音楽:ブライアン・イーノ TOTO
出演:カイル・マクラクラン
ホセ・ファーラー
ポール・スミス
フランチェスカ・アニス
スティング
ユルゲン・プロフノウ
マックス・フォン・シドー
ブラッド・ドゥーリフ
リンダ・ハント
ヴァージニア・マドセン
パトリック・スチュワート
ショーン・ヤング