60歳の作家トマスは、差出人不明のタロットカードを貰い、40数年ぶりに故郷の町に帰ってくる。田舎だった町は、すっかり近代化されていたが、丘の上の家だけはそのままだった。トマスは16歳の頃、その家に住んでいた女性モイラと恋愛関係にあった。(ここからトマスの回想録スタート)好奇心から、魔女の噂をたてられている女性を見ようと、友人たちと丘の上の家を訪れたトマスは、ふとした拍子で転び、気絶してしまう。そして、そこに住むモイラに介抱されたのをきっかけに、トマスは彼女に恋心を抱く。

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潔癖で古臭い町の人間は、モイラを淫らな女、魔女だとして軽蔑していた。人々の噂など信じなかったトマスだったが、やがて嫉妬の念から隠れた愛人がいるのではないかと、疑心暗鬼に駆られる。夜に合うことを頑なに拒むモイラの態度をいぶかしんだトマスは、意を決して深夜モイラの家に出かけた。モイラの家で嫉妬心に狂ったトマスが見たのは、男と寝ているモイラの姿、、、、やっぱり男がいるんじゃないかぁ、、、オイラは遊びだったと怒り狂い、モイラは魔女だと町の人にたきつける。そして哀れモイラは疑いをかけられ町の人に惨殺されて、ミイラ男のようにされる。トマスは町を出て初老になって帰ってくる。(ここが冒頭の時代とマッチします。)そしてアノ家に行くと、そこにいるのは、昔から変わっていないモイラの姿。爺になっても初めてのオンナは忘れらんかったのか、思わずヤッチャう。ここがポイント。そのsexしてる所を窓から覗き込む者がいました。そう、若き日のトマスだったのだ。40年以上の歳月の時間軸がくっついていたのだ。若きトマスは、44年後の自分とやっているモイラを見たのだ。なんという不条理、、、自分に対して焼餅を焼いて、モイラを殺したのだった。でも初老のトマスは翌朝死ぬ。モイラはやっぱり魔女だった。モイラと関係したら、一生、死んでも離れられなくなるのだ。・・・幕

途中までは年上好みの思春期の男の子の物語で全然ホラーじゃないです。なんか青い青春を思い出す展開でしたね。ホラーっぽくなるのが後半です。そして捻りが効いた脚本が面白かったです。

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2006年 スペインTVM PELICULAS PARA NO DORMIR: REGRESO A MOIRA ★★★☆
監督:マテオ・ヒル
脚本:マテオ・ヒル イゴール・レガレッタ
音楽:ルシオ・ゴドイ ザカリアス・マルティネス・デ・ラ・リ
出演:ホルディ・ダウデール
フアン・ホセ・バイェスタ
ナタリア・ミヤン(モイラ)