現代のサンフランシスコ。とある部屋で、マスコミでのし上がろうとする野心的な若者クリスが、漆黒の髪の美青年ルイへインタビューを始めたが、その内容は驚くべきものだった。1791年の合衆国になる前のアメリカ・ニューオリンズ。フランス移民のルイは当時24歳で農場主をやっていた。最愛の妻をお産で亡くし、死を求めて絶望する彼に、美貌の吸血鬼レスタトが近づく。彼は人間らしく揺れ動く繊細な魂のルイに興味を覚え永遠の命を共にする伴侶として彼を選ぶ。レスタトは病気や死と無縁の世界へ行こうと誘う。そして吸血鬼になる決心をしたルイはレスタトに牙を立てられ死亡。彼は、すぐに眼の色が変わり吸血鬼として蘇生した。・・・

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ロマンティックな吸血鬼の映画。伝統の吸血鬼のキャラを踏襲してトム・クルーズ、ブラッド・ピット等のイケメン+アントニオ・バンデラス(今回は男のフェロモンろいうよりオカマチックなメイクですが)が演じています。またクローディア役キルスティン・ダンストは、まだ子供で可愛いかった。後にスパイダーマン等で大人になっていきますが、見方によれば子供時代の方が綺麗だったりして。血を吸われただけでは吸血鬼にならない、吸血鬼の血を飲まないとなれないってのは面白かったね。血の契約みたいな感じです。苦痛を消し新しい人生をとルイを吸血鬼の生活に誘うレスタトですが、結局何になっても、やっぱり苦痛は消えなかったです。ルイは血を求めても中々人殺しが出来なくて悩みます。しかし本能が血を求め、そして吸血している時に心に平安が訪れるのでした。吸血、殺人にテーマは無く、吸血鬼の悲哀、孤独を吸血鬼の視点で描いた映画なのです。題材を深読みすると吸血鬼映画ではなくモーホ映画ともとれます。劇中のレスタト、アーマンドに美しいと何度も言われるルイことブラッド・ピット。女は単なる食材であり、求めるのはルイであり、彼の心なのですから。でも当人のルイにはその気無し。レスタト、アーマンドも可哀想ですね。(笑)
以下製作時のトリビアを引用。
クリスチャン・スレーター扮するインタビュアー役は、当初リバー・フェニックスが演じる予定であったが、当人が死亡したために演じられなかった。クリスチャン・スレーターは後にギャラを全て、リバー・フェニックスが支援していたボランティア団体に寄付した。原作者のアン・ライスは、トム・クルーズではイメージに合わないとして主演には反対だったが、出来上がった作品を見て絶賛し、私費でデイリー・バラエティ誌に7740ドルの見開きページの広告を掲載してお詫びした。

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1994年 アメリカ Interview With The Vampire ★★★★
監督:ニール・ジョーダン
原作:アン・ライス『夜明けのヴァンパイア』(早川書房)
脚本:アン・ライス
特殊メイク:スタン・ウィンストン
音楽:エリオット・ゴールデンサル
出演:トム・クルーズ(レスタト)
ブラッド・ピット(ルイ)
アントニオ・バンデラス(アーマンド)
スティーヴン・レイ(サンティアゴ)
クリスチャン・スレーター(クリス・マロイ)
キルスティン・ダンスト(クローディア)