没落した貴族の子孫コートレイ卿は吸血鬼ドラキュラ伯爵の形見、黒マント、リング、赤い粉の薬ビン(ドラキュラの血)を集めるのに必死になっていた。コートレイ卿はドラキュラ伯爵の秘めたる弟子だった。彼は売春宿で出会った三人の有力者に取り引きを申し出た。形見の買取りの金1000ギニーを出して貰う代わりに刺激的な悪魔と会わないかと。それに応じたウィリアム・ハーグッド、サミュエル・パクストン、ジョナサン・セカーの三人は、骨董品屋ウェラーから形見の品を買いとった後、コートレイ卿と待ち合わせの怪しげな教会に向った。コートレイ卿は黒マントで身を包み儀式を始めた。赤い粉を入れた杯にコートレイ卿の生き血を混ぜると、ぶつぶつと泡をたてはじめた。そして、それを一気に呑みほした彼が急に形相をかえて苦しみだした時、三人はあまりの恐しさに彼をめった打ちにして殺害し一目散で逃げだした。コートレイ卿は死んだが、彼の血がドラキュラ伯爵を甦らせた。生き返ったドラキュラ伯爵は殺された弟子の復讐を誓った。・・・

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前作・帰ってきたドラキュラのラストシーンからスタート。死んだドラキュラの形見を通りかかった骨董品屋が見つけ持ち帰り、ドラキュラの弟子に売る。そしてドラキュラが復活、弟子の復讐を誓う・・・変な展開ですね。弟子と師匠、そんな感情が天下のドラキュラ、あの悪魔にあるのでしょうか?ハマー・プロのドラキュラ・シリーズも第5作目となり、脚本に行き詰まり、苦肉の策であみ出したとしか思えません。この作品は全体に恐怖の演出が少なく、間延び気味の展開でした。(ドラキュラ復活まで45分、復讐開始まで56分も使っています。)ですから、いつものテーマ音楽も心をかきたてられませんでした。そして復活のシーンは弟子の死体が砂化して、砂の中からドラキュラが現れる、この特撮はアカンねぇ。卵の殻が割れるように登場するのですが、お粗末な出来。そして最悪なラストの死に方。復活した寂れた教会に十字架で閉じ込められたドラキュラは、教会の本来の幻影を見て勝手に白い布をかけた祭壇に転落して苦しみ、砂になっておしまいなんです。これって自爆ですね。話しにならない終わり方にあきれ返りました。また、オイラの気持ちが入らないのは女優陣が好みじゃないってのもあります。主役のリンダ・ヘイドンはガキっぽくて美人じゃない&色気をまったく感じないから、どうも乗り切れなかったです。

ドラキュラの催眠にかかり石棺の上で添い寝するアリス(棺桶は狭くて2人は寝られません。笑。)、L字型もみあげが笑えるポール役のアンソニー・コーラン。
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1970年 イギリス Taste the Blood of Dracula ★★
監督:ピーター・サスディ
脚本:ジョン・エルダー
音楽:ジェームズ・バーナード
出演:クリストファー・リー(ドラキュラ伯爵)
ラルフ・ベイツ(コートレイ卿)
ジェフリー・キーン(ウィリアム・ハーグッド、ドラキュラに洗脳されたアリスにスコップを叩きつけられ殺される。)
リンダ・ヘイドン(アリス、ハーグッドの娘)
ピーター・サリス(サミュエル・パクストン、アリスとルーシーに木の杭を心臓に打たれる。)
アンソニー・コーラン(ポール、パクストンの息子、アリスの恋人)
イズラ・ブレア(ルーシー、パクストンの娘)
ジョン・カーソン(ジョナサン・セカー、ドラキュラに洗脳されたジェレミーに刺される。)
マーティン・ジャルツ(ジェレミー、セカーの息子、ルーシーの恋人)
ロイ・キニア(骨董品屋ウェラー)

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