日本上空のテレビ通信衛星に、原因不明の消失事件が起こった。時を同じくして世界各国の宝石店が襲われ、多量のダイアが盗まれる事件が頻発する。ダイア盗難事件は全世界に指名手配されている宝石強盗団一味の仕業と考えられていたが、国連科学委員会の調査によって、両事件とも突然変異した宇宙細胞の仕業だとわかる。日本の上空は放射能の吹き溜まりで、その影響で宇宙細胞が突然変異し、炭素をエネルギー源としている宇宙細胞は、エネルギー補給のためダイアモンドや石炭を必要としたのだった。巨大化した宇宙細胞は、ドゴラと命名された。・・・

宇宙大怪獣ドゴラ amazon
宇宙細胞の出現と、ダイア強盗と警察の攻防をMIXした話。怪獣よりアクション(銃撃戦やダイナマイト合戦)に重点を置いた作りになっています。これは当時大人気の007 危機一発の影響らしいです。ですから怪獣の出番は少なく、ちょっと苛立ちますが、個性たっぷりのでかいクラゲ型宇宙細胞ってアイデアは好感が持てます。怪獣そのものより、ドゴラが巻き起こす竜巻の特撮(工場の煙突をもぎ取っていくシーン等)や、ドゴラが隠れている雲の色の処理が幻想的な雰囲気をかもし出していました。この特撮は水中でミニチュア・ドゴラを吊るして撮ったとか。空気の泡の処理もされているので、そうは全然感じませんでしたね。夏木陽介・・・まだ若くて可愛いですね。自分のイメージはGメン'75の渋いイメージが強いので、なんか笑えてきます。

以下ウィキペディアからトリビア引用。
当時の宣伝用ポスターでは、戦闘機や新幹線を宙に巻き上げるドゴラの姿が描かれていたが、実際にはそのような場面はなかった。
ドゴラのミニチュアには、当時開発段階のソフトビニールを素材に使った。この軟らかい素材のミニチュアを水槽の中に吊り下げ、水槽下部にすえつけたバルブからの水流でフワフワとした宙を舞う不安定な「宇宙大怪獣」を表現した。が、水道局の毎週のカルキ投入日には水道水が白く濁ってしまって、水槽の水を透明に保つのに苦労し、あまり特撮カットが稼げなかった。この為、姿が不明瞭な怪獣とならざるを得ず、人間アクションに重点を置いている理由にはこのような面もあった。
石炭をドゴラが吸い込んでいくカットはコーヒーがらを使用。
単細胞状態のドゴラは、有機ガラスをガラスに挟んで表現された。
ドゴラのイメージデザインを担当したのが『海底軍艦』や『地球防衛軍』のデザインを担当した小松崎茂氏である。
ドゴラが襲う街は北九州市。ドゴラに破壊されるのは、若松港や「東洋一の吊り橋」若戸大橋、皿倉山頂の展望台である。




まだ宇宙にいる時のドゴラ
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ドゴラが石炭を吸い上げると巨大竜巻が発生
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石炭食っています、、とお手手で若戸大橋を引きちぎるカット
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1964年 日本 東宝映画 DOGORA-THE SPACE MONSTER ★★☆
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
原作:丘見丈二郎
脚本:田実泰良 関沢新一
音楽:伊福部昭
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介(駒井、警視庁外事課刑事)
ダン・ユマ(マーク・ジャクソン、ダイヤGメン)
中村伸郎(宗方博士)
小泉博(桐野、電波研究所技官)
藤山陽子(桐野昌代、宗方博士の秘書、桐野の妹)
若林映子(浜子、ギャング)
河津清三郎(国際ダイヤ強盗団ボス)
田崎潤(警視庁外事課課長)
船戸順(新田刑事)