鹿児島県・枕崎で生きてきた老漁師の神尾は、内田真貴子と名乗る若い女性に懇願され、東シナ海を西へと、小さな漁船を走らせていた。「内田二兵曹」。神尾の胸に、鮮やかに、そして切々と甦ってくるのは、60年前の光景、戦友たちの姿だった。昭和19年2月、神尾たち特別年少兵が、大和に乗組む。その威容に、10代の少年たちの目が輝く。がそれも束の間、厳しい訓練が始まった。その後、彼らの前に魅力的な、かつ尊敬できる上官が二人現われる。機銃射手である内田二兵曹と、烹炊(ほうすい)所の班長を務める森脇二主曹だ。・・・

男たちの大和 amazon


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昭和20年4月6日戦艦大和の壮絶な戦いを生き残った神尾が想い出を回想します。またまた太平洋戦争映画です。戦闘機の援護ゼロで沖縄を助けに行く大和。世界最新鋭と呼ばれた戦艦でも帰りの燃料も積まない特攻でした。映画の中で意味深い言葉は「俺達の特攻に、死に、意味はない」という部下と「根性無し」と精神論を振りかざす部下の喧嘩の中、に諭す上官の言葉でした。「日本は進歩していないから勝てないだろう。それは幕末の歴史も同様だ。だが俺達の犠牲の上で将来の日本は学び、そして発展する。その為の礎になろう。」すべてを分かっていても逃げない強い意志、国を守ろうという意志、そんな意志を持って死を省みず突撃する。余りに悲しく、でもかっこいいじゃありませんか。並みの人間では到底真似が出来ないっす。また戦闘シーンの壮絶さは、こりゃ日本の映画か?と言うほど凄まじくリアルなんです。滅茶苦茶、血は飛び散るは、死体の山になるは、機銃、人間は吹っ飛ぶは、爆発&爆裂でした。でも大和の機銃って、何も防御壁が無い身体むき出しだったのでしょうか?戦闘機の標的になりやすいのに何もカバー無しなんですね。コワッ。今回の中村獅童は硫黄島の時の戦争の犬じゃなくて、自分の信念を貫く粋な役柄でした。

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2005年 日本 東映映画 Yamato The Last Battle ★★★★
監督:佐藤純彌
原作:辺見じゅん
脚本:佐藤純彌
音楽:久石譲、主題歌:長渕剛
出演:反町隆史(森脇庄八二等主計兵曹)
中村獅童(内田守二等兵曹)
松山ケンイチ(海軍特別年少兵・神尾克己)
内野謙太(海軍特別年少兵・西哲也)
橋爪遼(海軍特別年少兵・児島義晴)
渡辺大(海軍特別年少兵・伊達俊夫)
崎本大海(海軍特別年少兵・常田澄夫)
勝野洋(大和第5代艦長・第二艦隊参謀長・森下信衛少将)
奥田瑛二(大和第6代艦長・有賀幸作大佐)
渡哲也(第二艦隊司令長官・伊藤整一中将)
鈴木京香(内田二等兵曹の養女・真貴子)
仲代達矢(明日香丸船長・神尾克己)