硫黄島での戦いを日米双方の視点から描く2部作の「父親たちの星条旗」に続く第2弾。アメリカ留学の経験を持ち、親米派である栗林忠道中将が家族に宛てた手紙をまとめた『「玉砕総指揮官」の絵手紙』を基に、本土防衛最後の砦として、死を覚悟しながらも一日でも長く島を守るために戦い続けた男たちの悲壮な最期を見つめる。・・・

硫黄島からの手紙 amazon
letters from iwo jima trailer
アメリカ駐在の栗林中将・・・帝国軍人らしからぬ柔軟性を持ち合わせていて、その上で天皇陛下に忠誠を誓う。戦争中の日本人は鬼じゃない、、、人だったのだと、はっきり主張しています。オイラは父親からの星条旗の前に、こちらから見ました。最初は戦争っぽくなく、登場人物の人物像が44分に渡り描かれています。45分からアメリカ軍の爆撃が始まり、いよいよ惨劇がスタート。CGで作られた米軍の爆撃シーン。これ本物かっていう位の迫力。そして左右に飛び回る戦闘機のエンジン音。オイラは5.1chじゃないのでステレオで見たのですが、それでも凄い。オイラは本物の爆撃は知らないけど、去年死んだ爺さんなら比べられたね。なにせ名古屋空爆を体験していましたから。中盤から終盤にいたっては当然悲劇の連発になります。出兵する西郷が妻のお腹の赤ちゃんに言う言葉、「父ちゃんは生きて帰って来るからな。」とか、、、凄まじい決意の栗林将軍の天皇陛下万歳とか、「靖国で御霊になって会おう」と自分の手榴弾で自決していくすり鉢山の日本兵達。オイラは右でもアカでもないけど、日本人の末裔として思いました。天皇陛下や本土、自分の家族を守る為に、戦っていただけた兵隊さん達に素直に感謝したい。戦争は悪い事だけど、やらなきゃならない時もあったのだ。今の日本があるのは、先祖の皆様の精神力があるからだと思いました。

地獄の戦場と化す前の硫黄島での西郷、野崎ら。「馬鹿、中将はメリケン(アメリカ人の事。発音からこういう風になったのかな?アメリケンってね。)の勉強をしておられるのだ」と言う西郷。西郷は昼飯抜きの罰。
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栗林将軍の天皇陛下万歳のシーン、おごそかな声ながら鬼気迫る決意を感じます。
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すり鉢山を陥落され逃げてきた西郷を切りつけようとする伊藤中尉。おめおめと逃げるなら何故自決しないと問うシーン。恐い大日本帝国軍人です。
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2006年 アメリカ LETTERS FROM IWO JIMA ★★★★★
監督、製作:Clint Eastwood
製作:Steven Spielberg、Robert Lorenz
製作総指揮:Paul Haggis
原作:栗林忠道「玉砕総指揮官の絵手紙」(小学館文庫刊)吉田津由子編集
脚本:Iris Yamashita
音楽:Kyle Eastwood、Michael Stevens
出演:渡辺謙(栗林忠道中将)
二宮和也(西郷)
伊原剛志(バロン西=西竹一中佐)
加瀬亮(清水・・・元憲兵、投降するも米兵に射殺される清水)
松崎悠希(野崎)
中村獅童(伊藤中尉)
裕木奈江(西郷の妻:花子)